2023年8月26日に福島県で初めて開催された「スイーツ甲子園ふくしまチャレンジカップ」。東日本大震災と原発事故からの復興に取り組む福島県を、スイーツの力で応援しようと企画された。 福島県からだた一人、決勝に出場した高校生を取材した。

スイーツの甲子園

高校生を対象に開催された「スイーツ甲子園ふくしまチャレンジカップ」には、全国各地から657組の応募があった。厳正な審査を経て、決勝大会に進んだのは9組。

657組から決勝大会に進んだのはわずか9組
657組から決勝大会に進んだのはわずか9組
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福島県内から唯一、決勝に進んだのが須賀川創英館高校・3年生の坂内妃咲さん。菓子作りが大好きという坂内さんは、パティシエを目指している。

福島県からただ一人 須賀川創英館高校・坂内妃咲さん
福島県からただ一人 須賀川創英館高校・坂内妃咲さん

福島県の特産品をテーマ食材に

福島の復興が目的のスイーツ甲子園。テーマ食材は、福島県の特産品3種類が選ばれた。それが大熊町のキウイ。富岡町のパッションフルーツ。楢葉町のサツマイモの3種類。

福島県の復興をスイーツで応援 県産食材を使用する
福島県の復興をスイーツで応援 県産食材を使用する

この中から坂内さんが選んだのはキウイ。「ゴールドとグリーンの2種類を使って、見た目でも楽しめるように。自分でレシピから考えて作ったのが初めてなので愛着がある」と話す坂内さん。2種類のキウイと紅茶を使ったムースケーキで決勝大会に臨んだ。

自分で考えたレシピ キウイでムースケーキを作る 
自分で考えたレシピ キウイでムースケーキを作る 

仕上がり以外にも審査ポイントが

8月26日、決勝大会の舞台は震災直後に原発事故収束の対応拠点として使われた「Jヴィレッジ」

決勝は福島県・Jヴィレッジで開催
決勝は福島県・Jヴィレッジで開催

坂内さんは「慣れない場所での調理はすごい緊張するんですけど、練習の成果が出せるように頑張りたい」と少し緊張している様子。
審査では、調理器具の扱い方や調理に臨む姿勢、そして手際の良さも評価の対象になる。

少し緊張気味の坂内さん
少し緊張気味の坂内さん

これまでで一番の出来に

「ムースの一番上の層を固めるのに結構時間がかかってしまう。ちゃんと固まるかが不安」と話していた坂内さん。不安だったムースはしっかりと固まり、手際よく作業を進めることができていた。

審査するパティシエ 手際の良さも審査対象
審査するパティシエ 手際の良さも審査対象

作業の開始から約1時間、キウイのムースケーキが完成。坂内さんは「冷凍庫の温度が家とか学校とかよりも低くて、予定してたよりも結構早く固まったので良かった。練習してきた中で、一番きれいに出来たんじゃないかなって思います」と話した。

坂内さんのムースケーキ 練習してきた中で一番きれいにできた
坂内さんのムースケーキ 練習してきた中で一番きれいにできた

地元の人にも好評

完成したムースケーキは、大会に協力してくれた地元のみなさんにも振る舞われた。キウイを提供した大熊町の職員は「すごくさっぱりして、夏にぴったり。食べやすい味だと思いました」「紅茶とキウイが一緒になったものを初めて食べたが、非常に味がマッチングしていておいしかった」と好評だった。

キウイを提供した大熊町の職員も舌鼓
キウイを提供した大熊町の職員も舌鼓

これからも菓子作りを頑張る

それぞれのテーマ食材ごとに、最優秀スイーツが発表された。キウイ部門の最優秀賞は宮城県・泉館山高等学校の川村由桜さん・石塚彩芽さんに決まった。

キウイ部門の最優秀賞は宮城県・泉館山高等学校の川村由桜さん・石塚彩芽さん
キウイ部門の最優秀賞は宮城県・泉館山高等学校の川村由桜さん・石塚彩芽さん

坂内さんのムースケーキは、惜しくも最優秀賞を逃してしまったが、審査員の江森宏之シェフからは「きょうの一日を心に刻んで、これからもチャレンジしていってほしい」という言葉が贈られた。

他の参加者も力を尽くす
他の参加者も力を尽くす

大会を終え坂内さんは「練習してきた中で、一番うまく作れていたので自分的には満足。悔しい思いはあるが、ここまで来れたことがすごくうれしい。この経験を活かして、これからもお菓子作り頑張りたい」と話した。

パティシエという夢に向かって
パティシエという夢に向かって

坂内さんが、これからどんなパティシエになっていくのか楽しみだ。

(福島テレビ)

福島テレビ
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