猛暑の影響が及んでいるのは農作物だけではない。暑い牛舎で過ごす牛たちも体調を崩しがちとなり、牛乳の生産量が減少している。さらに、2024年以降に及ぶ心配ごともあるという。
「異常」経験したことのない暑さに
山形・南陽市小滝で酪農を営む川合悟一さんは乳牛を育てて50年以上になるが、この夏のような暑さは経験したことがないと話す。

川合悟一さん:
暑さの影響があるのは牛もそうだし、人間も同じ。暑すぎるのはダメ。異常ですね

夏場の牛舎内の温度は25度前後が理想だが、2023年は35度を超える日が相次ぎ、牛たちもうまく体温の調節ができていないという。
川合悟一さん:
牛の平熱が38.5度だが、今は40度近い。日中も暑いし夜も気温が下がらない。牛たちもものすごく参っている
扇風機を24時間稼働 電気代も高く…
体調がすぐれない牛たちは乳の出が悪くなる。70軒の酪農家で作る「県酪農業協同組合」の牛乳の生産量は、1日あたり20トン、平年のこの時期に比べ約2割減っている。

暑さを少しでも和らげようと、川合さんの牛舎では扇風機を24時間動かしているが、これにより8月の電気代は例年の2倍になるとみられ、経営の大きな打撃となる。こうした中、川合さんが一番心配しているのは来年以降への影響だ。

川合悟一さん:
妊娠しないんだよ、この暑さで受精しても。発情も来ないし、そうすると来年の産乳量に影響する。もう少しで涼しくなるだろうから、牛たちに「がんばってくれ」と心から願うだけ
記録的な暑さはまだ終わりそうになく、酪農家にとっても頭の痛い日々が続く。
(さくらんぼテレビ)