天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは8月21日、那須御用邸での静養のため、栃木県の那須塩原駅に到着されました。夏のご静養は4年ぶりになります。
駅前では、多くの人々から出迎えを受けられたご一家。「暑い中ありがとうございました」との声に、陛下は「皆さんも暑い中、どうもありがとう」と応えられました。
小学3年生の女子児童に「夏休み?」「楽しんでいますか?」と問いかけられた陛下。女の子が首に掛けていた冷却グッズに注目した皇后さまは「これは涼しくするものですか? 涼しいですか? 暑いですものね」と声をかけられました。
この記事の画像(14枚)また「夏休みはどうですか?」という陛下からの問いかけに「楽しかったです」「でもあと1週間しかないんです」と答えた小学6年生の男子児童に、愛子さまも「宿題もいっぱいありますか?」と積極的にご質問。「もう、ほとんど終わっちゃいました。」との答えに、ご両親と一緒に「素晴らしい!」と感嘆されました。
4年前は日差しの下で行われたご交流ですが、今回、猛暑の日差しを避けられるように、という両陛下のご意向で、ひさしのある場所に変更されたといいます。集まった人々と15分ほど和やかに交流されたご一家。途中歩み寄ろうとした皇后さまが足下のプランターに気がつかず、足を取られる場面も。陛下と愛子さまが、とっさに手を差し伸べられました。
4年ぶりの那須御用邸
那須御用邸に到着後、敷地内で散策を楽しんだご一家は、取材陣の質問に応じられました。
記者:陛下、夏にこうして静養されるのは久しぶりだと思います。いかがでしょうか?
陛下:4年ぶりですね。4年ぶりに3人そろって、この自然豊かな那須の地に来ることができた
こと、大変うれしく思っております。
記者:皇后さま、那須にいらっしゃるの、本当に久しぶりだと思いますがいかがですか?
皇后さま:そうですね。今回もとても楽しみにしてまいりました。本当に今もいろいろな花が 咲いていますし、自然の中でゆっくりできるので、とてもみんな大好きで、4月の御料牧場もとても楽しかったんですけれど、今回もとても楽しみにしています。
記者:愛子さま、大学の通学も始まりまして、大学生になって初めての夏休みらしいお休みかと思いますが、何をして過ごされますか?
愛子さま:そうですね、那須は本当に自然が豊かで、空気もとてもきれいなので、ここでリフレッシュ、豊かな自然に触れながら、リフレッシュできればなと。そして大学、残り半年、残り半分、いろいろなことに取り組んでいけたらなと思っております。
この日の愛子さまは、花柄のワンピースに涼やかなイヤリング、そして長かった髪は肩までの長さに。35センチほど切ったと明かし「軽くてシャンプーも楽になりました」と笑顔で話されていました。
愛子さまは、これまで、夏の静養でご両親と様々な思い出を作ってこられました。
愛子さま 夏のご静養の思い出
平成14(2002)年8月。ご誕生後、初めての夏は、陛下にベビーキャリーで背負われながら、那須岳の麓にある沼ッ原湿原でハイキング。登山客に笑顔を見せられました。
そして須崎御用邸では、皇后さまに抱っこされて、上皇ご夫妻、秋篠宮ご一家とともに海岸へ。生後8カ月の愛子さまは、浮き輪を付け、初めての海水浴を楽しまれたといいます。
翌平成15(2003)年8月には、那須町の共同利用模範牧場で、体重が1トンを超す農耕馬「那須駒」を、怖がることなくご覧になりました。
平成21(2009)年8月、小学2年生の愛子さまは大好きな愛犬・由莉(ゆり)を抱きかかえられ、一緒に那須御用邸へ。
平成25(2013)年8月。
小学6年生の夏、須崎御用邸を訪れた際には、地元の人々とにこやかに交流されました。
去年3月、愛子さまは、20歳を迎えた際の記者会見で、須崎御用邸での思い出について話されています。
《愛子さま 成年会見》
「海で泳いでいる時に、きれいなお魚の群れを発見して、皆で観賞しました。また,須崎はほとんど波のない穏やかな海でございますけれども、サーフボードを浮かべて、そこに3人で座る挑戦をして、見事全員で落下した思い出など、お話しをし始めると日が暮れてしまうかもしれません」
さらに、那須御用邸でのこんなエピソードも披露されました。
《愛子さま 成年会見》
「以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、その着いた晩に、縁側にあるソファーで寝てしまい、そのまま翌朝を迎えた、なんてこともございました。」
那須御用邸ならではの過ごされ方
今回4年ぶりとなる那須御用邸で、ご一家は豊かな自然の中で過ごすひとときに期待を寄せられました。
陛下:那須は、東京では見られないようなものも色々ありますのでね。そういったものに接するのもまた楽しみですね。トンボも、オニヤンマは東京では見られないし。こういった植物も花も、那須だから見られるようなものも、たくさんありますからね。
皇后さま:東京から来ますと、本当に涼しくて、びっくりいたしました。
愛子:過ごしやすい気候で。
陛下:今日はちょっと曇ってますけども、天気が良いときは星もとてもきれいですからね。
記者:(望遠鏡を)持ってこられましたか?
陛下:持ってきました。前から使っている望遠鏡を。
子どもの頃から50年近く愛用されている陛下の天体望遠鏡。ご静養の際には、毎回のようにお持ちになるといいます。
ご一家が散策された場所のすぐそばには、見晴らし台「嚶鳴亭(おうめいてい)」があります。その付近は、星を眺めるのに良いところだと、陛下が話されました。すると、皇后さまが陛下に「テントの話は?」と一言。陛下は笑顔になり、あるエピソードを明かされました。
陛下:だいぶ前になるんですけれども、雅子と、ちょうどここの上のところにテントを張って一晩過ごしたことがあるんですけれども。寝袋で。
記者:宮さま(愛子さま)は?
皇后さま:まだ生まれる前でした。ここの上(草を)刈ってくれて。
陛下:テントも、とてもね、楽しかったですね。
今回、天体観測の他にも、ハイキング、バレーボールやバドミントンなども楽しみたいと話されたご一家。那須御用邸におよそ2週間滞在される予定です。
(「皇室ご一家」8月27日放送)