7年前の熊本地震の発生後の熊本城飯田丸五階櫓は、櫓下(やぐらした)の石垣が崩落しながらも角石と呼ばれるひと筋の石垣が櫓(やぐら)の倒壊を防ぎ、“奇跡の一本石垣”と呼ばれた。荷重に耐えた8段12個のうち最後の石材が積み直され、一本石垣を含む石垣はほぼ被災前の姿に戻った。

熊本城の“奇跡の一本石垣”

2016年4月の熊本地震で、櫓の倒壊を防いだ飯田丸五階櫓の“奇跡の一本石垣”。

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櫓は前例のない工事で倒壊を防ぎ、崩落石垣を回収し、櫓は再利用に向けて解体され、一本石垣も撤去された。

仮受構台の設置作業の様子
仮受構台の設置作業の様子

その後、熊本地震から6年半たった2022年10月、約1,700個におよぶ飯田丸五階櫓の石垣の積み直しが始まった。

2022年10月から行われた石垣の積み直し作業
2022年10月から行われた石垣の積み直し作業

そして2023年8月24日、最後の石材の積み直しの日を迎えた。

熊本城総合事務所・藤本匡哉さん:
「一本石垣」の一番上に載っていた石垣です

郡司琢哉アナウンサー:
まさに崩れそうな櫓を支えていた、1番負荷がかかっていた石ですね。これにロープがかけられているということは、今からこの石をつるということですかね?

熊本城総合事務所・藤本匡哉さん:
そうですね。一本石垣の最後の積み直しを行っていきます

いよいよ最後の1石が積み直し

重さ約1トン、飯田丸の石垣の中でもひときわ大きな石がクレーンでつられ、“奇跡の一本石垣”と呼ばれた8段12石の石材のうち、最後の1石が元あった場所に下ろされた。

“奇跡の一本石垣” 最後の1石がついに
“奇跡の一本石垣” 最後の1石がついに

作業にあたった石工・谷森翼さん:
僕も来て7年になるんですけど、ちょっとずつ、ちょっとずつしか直らないですけど、節目としてはよくここまできたかなと思います

作業にあたった石工・谷森翼さん
作業にあたった石工・谷森翼さん

熊本城総合事務所・藤本匡哉さん:
熊本地震の直後からずっと復旧を行ってきて、これまでいろんな方々に支えられてきまして、時間はかかったんですけど、ここまできて大変感慨深いものがあります

熊本城総合事務所・藤本匡哉さん
熊本城総合事務所・藤本匡哉さん

飯田丸五階櫓での石垣復旧工事は10月まで行われ、櫓の再建も含めた工事の完了は2028年度の予定。

(テレビ熊本)

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