地震で建物にゆがみが出るなどして解体したうえで再建される熊本城の宇土櫓(うとやぐら)、その雄姿が見られるのもあとわずかとなる。

熊本地震で被災した熊本城の宇土櫓

国の重要文化財である宇土櫓は、2016年の熊本地震で建物の傾きや壁の破損などの被害を受け、解体したうえで再建されることが決まっている。

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そして、その解体・再建の際、部材を雨風から守る素屋根の工事が2022年秋から始まり、2023年の4月からは鉄骨を組む工事が行われている。

報道公開が行われた8月4日の時点では、完成時の高さ46メートルのうち34メートルの地点まで鉄骨が組まれ、徐々にその姿が見えにくくなっていた。

8月4日時点の工事の様子
8月4日時点の工事の様子

10月ごろからは、組まれた鉄骨の上に素屋根の外壁が設置されるためその姿は見えなくなる。

ただし、素屋根は工事用スロープのある南側と天守閣のある東側は壁ではなくネットで覆われるため、観光客も工事の進捗(しんちょく)状況を見ることができるという。

また、素屋根の中には取り外した部材や瓦を保管するスペースも設けられ、再び使えるものについては再建の時を待つ。

昭和2年以来の大工事 新発見にも期待

宇土櫓の解体をともなう大規模な工事は昭和2年(1927年)以来で、西南戦争の戦火を免れ、築城当時の姿をとどめる宇土櫓の修理の変遷など新たな発見も期待される。

熊本城総合事務所 復旧整備課・岩佐康弘課長:
素屋根で囲われたとしても、天守閣側からは中の作業が少しずつ見えるような状況になっていますので、そういったところを見ていただきたいのと、今後、中の作業を何らかの形でお伝えしながら、10年間着実に進めていきたい

宇土櫓の再建完了は2032年度の予定で、約10年間、その雄姿を見ることができなくなる。

(テレビ熊本)

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