台風7号が近畿地方を直撃してから、22日で1週間がたつ。 被災地を取材すると、人手不足の中、復旧作業に取り組む住民たちの不安の声が聞こえてきた。
行政のさらなる支援が必要不可欠

台風7号は1週間前、近畿地方を縦断し、大雨や暴風が各地をおそった。 約100棟の建物が浸水などの被害にあった京都府福知山市では、激しい雷雨とともに濁流が押し寄せる様子が撮影されていた。
福知山市では1週間がたった今も、猛暑の中、ボランティアの力を借りながら、復旧作業が続いている。
住民:
まだまだかかる。そこが片付いたくらいで。言うことないですわ。ただただ命があっただけましだったと

土石流が発生した京都府綾部市では、流木などの撤去がなかなか進まず、住民からは、「ボランティアのやれる範囲は決まっている。行政には土砂の撤去、流木の撤去を早くやってほしい」と行政のさらなる支援を必要とする声が上がっている。

台風による被害を受けたのは、住宅だけではない。 地元の産業も大きなダメージを受けている。
名産「万願寺甘とう」 2023年の栽培は絶望的

福知山市大江町に住む大槻重明さん(83)は、毎年、地元の名産である「万願寺甘とう」を栽培していた。しかし、流れてきた土砂がビニールハウスを埋め尽くし、収穫予定だった約30kmほどのとうがらしは、ほぼ全滅。根を泥が覆ってしまい、2023年の栽培は絶望的だと話す。

大槻重明さん:
ほんまは泥を撤去したらいいんやけど、手でするしかないから、できないなって諦めとります

さらに、本来は川があるはずの場所は、一面の土砂で埋め尽くされていた。
大槻さんは、川が埋まり排水能力が落ちている中で、再び大雨が降れば、さらに大きな被害が出るのではと警戒している。

大槻重明さん:
ある程度、川らしくしといてもらわないと、この次も台風シーズンが控えてるんでそれが怖いんですよ
被災者がさまざまな不安を抱える中、復旧を前に進めるにはさらなる支援の手が必要だ。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月22日放送)