上皇后・美智子さまは、8月7日、東京・板橋区の板橋区立美術館を訪れ、絵本の原画展をご覧になりました。

原画展では、今年3月にイタリアのボローニャで行われた国際的な絵本のイラストコンクールの入選作品などが、展示されています。

上皇后さまは、切り絵の作品を鑑賞した際、それぞれ1枚の紙をカッターナイフで切り抜いているという説明に「細かい大変なお仕事ね」と驚かれました。


また、視覚障害者が触って鑑賞できるように原画を木彫りにした「触察ボード」には、実際に触れながら「よい試みですね」と話されたといいます。
児童文学に造詣が深い上皇后さま
上皇后さまは、17年前にも「イタリア・ボローニャ原画展」をご覧になるなど、この美術館で行われた絵本の展示に度々、足を運んで来られました。

児童文学に造詣の深い美智子さま。
お子さまの初めての山登りについて綴られた文章が1991年に「はじめての やまのぼり」という絵本になりました。

また、詩人 まど・みちおさんの子ども向けの詩を英語に翻訳するなど、長年、児童書に携わってこられました。

平成10(1998)年には、国際児童図書評議会「IBBY(イビー)」の世界大会で、ビデオによる基調講演を英語で行い、子どもにとっての読書の大切さについて話されました。
《上皇后さまのビデオ基調講演》
So that children have firm roots within themselves ;
So that children have strong wings of joy and of imagination ;
So that children know love, accepting that at times love calls for pain ;
So that children see and face the challenge of life's complexities, fully taking on the life given to each, and finally, upon this earth which is our common home, become, one day, true instruments of peace.
子供達が、自分の中に、しっかりとした根を持つために
子供達が、喜びと想像の強い翼を持つために
子供達が、痛みを伴う愛を知るために
そして、子供達が人生の複雑さに耐え、それぞれに与えられた人生を受け入れて生き、やがて一人一人、私共全てのふるさとであるこの地球で、平和の道具となっていくために。

また平成31(2019)年には、長年の児童図書への貢献が認められ、ドイツのミュンヘン国際児童図書館の名誉会員に就任されました。

5年ぶりに訪れた美術館で、絵本の世界を堪能された上皇后さま。
コロナ禍で社会の動きが止まっていたことを心配し、「世の中が戻って良かった」と話されたということです。

(「皇室ご一家」8月20日放送)