大分県別府市にある「別府ラクテンチ」。急こう配を登るケーブルカーやアヒルの競争などが有名で、大分県民に愛され続けている老舗の遊園地だが、実は多くのスター動物を輩出し続けているかなり本気な“動物園”だった。
「ゾウがほしい」昭和25年ゾウ来園
ラクテンチの動物といえば外せないのがアヒルの競争。昭和25年にスタートし、人気を博したラクテンチのアイドル的存在。
この記事の画像(8枚)その同じ年、海外からラクテンチにある動物がやってきた。
昭和25年、戦争で閉園を余儀なくされたラクテンチが再開したその年にやってきたのがゾウ。きっかけとなったのは当時の大分県知事がタイに出した「大分の子ども達を元気づけるためにゾウがほしい」という手紙。
こうしてやってきたゾウは子どもたちの人気者に。当時はゾウに乗ることもできたという。
実は超本気な「動物園」だった
昭和44年のパンフレットで案内図をみてみると、キリンやライオン、トラやラクダまで。ラクテンチ、実はかなり本気な動物園だった。
これらの大型動物は平成16 年「別府ワンダーラクテンチ」としてリニューアルする時期を境に各地の動物園へ譲渡された。
当時人気者だった動物たちは「オブジェ」という形で今でも見ることができ、オブジェのゾウには今でも乗ることができる。
ホッキョクグマ界のスターの故郷?
昭和31年には、ゾウと並ぶほどの大人気の動物「ホッキョクグマ」がラクテンチにやってきた。そして、平成6年には、双子のホッキョクグマが誕生。ルルとララと名付けられた2頭は、平成8年に県外の動物園へお引越ししてしまったが…
現在28歳のルルとララ。ルルは東北サファリパークを経て平成10年に北海道の旭山動物園へ。
ララは平成8年に北海道の円山動物園へ。いまも元気に暮らしている。
実はララ、日本で一番子育てをしたホッキョクグマ。ホッキョクグマは絶滅の危機にあり、全国的にも繁殖が難しいとされている。そんな中、ララは5頭を出産。元気に育てあげた偉業を称えられ、平成23年に「日本動物大賞・功労動物賞」を受賞した。その後も、さらに3頭を出産し国内トップの子育て記録を樹立した。
ラクテンチはホッキョクグマ界を牽引するスターの故郷でもあった。
日本で2匹 超レアな動物も
ラクテンチには現在28種類60匹以上の動物がいる。その中には、日本で2匹しかいない超レアな黒いキタホオジロテナガザルも。絶滅危惧種で、国内では同じ黒色のサルは鹿児島で1匹飼育されているだけだという。
昔も今もスターを輩出し続けるスゴイ遊園地「別府ラクテンチ」を訪れてみてはいかがだろうか。
(テレビ大分)