長野県上田市の自動車解体工場で「マフラーの触媒」が盗まれ、警察に被害届が出された。触媒には高額な「レアメタル」が使われていて、狙われたとみられる。工場の防犯カメラには怪しい2人組が映っていた。

防犯カメラに映った怪しい2人組(関連会社提供画像)
防犯カメラに映った怪しい2人組(関連会社提供画像)
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怒り心頭「すべて盗まれた」

誰もいないはずの深夜の自動車解体工場。すると懐中電灯の光が照らされ、2人組が入って来た。2人は防犯カメラに気付いたのか、身を隠すように引き返していった。

これは8月7日午前0時ごろ、長野県上田市の工場の防犯カメラの映像。

2人組は何のために現れたのだろうか。

工場の関連会社の役員の男性は、「ここに隠してあったものをすべて盗まれた」と話し、犯人に対して怒り心頭だ。

隠しておいた場所を説明する男性
隠しておいた場所を説明する男性

狙いはレアメタルの「パラジウム」か

この役員によると、翌朝、自動車のある部品が盗まれていたという。

それは、自動車のマフラーについている「触媒」と呼ばれる部品。排気ガスを浄化するためのものだ。

「触媒」には、いわゆるレアメタルの「パラジウム」という金属が使われている。近年その価格が高騰。全国でもマフラーの触媒が盗まれる被害が相次いでいるという。こちらの会社ではおよそ60本、250万円相当が盗まれた。

網目の部分に「パラジウム」が使われている
網目の部分に「パラジウム」が使われている

犯人は何往復もしたと思う

関連会社の役員は、「触媒だけを盗んでも車本体を識別することはできず、ターゲットになりやすい」と話す。

被害にあった会社はすでに警察に被害届を出し、防犯カメラの映像も警察に提出しているという。

関連会社の役員は、「一度に持てて2つが精いっぱい。何往復もしたんだと思う。部品が返ってくればそれ以上は求めてない。次の犯罪がなくなれば一番良い」と話し、捜査の進展を見守っている。

県警は「被害届を受理し、鋭意捜査を進めている」としている。

狙われた自動車のマフラー部
狙われた自動車のマフラー部

(長野放送)

長野放送
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