「イット!」取材班が17日に向かったのは、千葉市にある、夏休みで大勢の親子連れなどに人気のプール。来場者は、浮輪やクーラーボックスを持って列を作り、入場を今か今かと待ち望んでいた。
しかしこのプールで8月、夏休みの楽しい思い出が一変する事故があった。
“緩衝材”に衝突…8歳男児が全治2カ月の重傷
事故があったのは、千葉市にある稲毛海浜公園内のプール。

8月5日、このプールにあったウォータースライダーで遊んでいた8歳の男の子が、緩衝材に衝突した。左足の太ももを骨折し、全治2カ月の重傷だという。
今は使用中止となり、空気が抜かれていた。

このウォータースライダーは高さ9.6m、長さ28mという大型のもの。
スライダーの終着点には、飛び出しを防ぐための、空気で膨らませた壁(緩衝材)が設置されていた。

事故があったウォータースライダーの小型の物を見せてもらった。緩衝材を触ってみると、手が沈み、結構柔らかい印象だ。

千葉市と運営会社が検証を行ったところ、「流れる水の量が多く、滑り降りるスピードが速くなったことが事故の原因」だという。事故を受け、スライダーの使用を当面休止し、安全な運用方法に見直すことにしている。
事故を防ぐには?水量の制御、身長制限ほか細かな注意点も
ウォータースライダーを設置している別の施設「龍宮城スパホテル三日月」(千葉・木更津市)を取材すると、安全上の理由から、流す水の量には細かく気を配っているそうだ。

ホテル三日月グループの広報・浦川力也さんは、「スライダーポンプというものがあって、自動制御で、水量を一定にするよう制御している。あまりスピードが出てしまうと、溺れてしまう危険性などもあるので」と話す。
身長制限もあるほか、「浮輪の使用」「2人で滑る行為」「めがねをつけての利用」「60歳以上の高齢者の利用」は禁止されるなど、細かな注意点が定められていた。

このウォータースライダーを実際に体験させてもらうと、着水地点には監視員もおり、安心して楽しめることがわかった。
外に小型のスライダーもあり、親の目が届く場所で子どもを遊ばせることもできる。

今回の事故を受け、ケガをした男の子と同じ小学生の子どもを持つ親からは、不安の声が聞かれた。
小学1年生の子を持つ親は「空気の(スライダー)でそういう事故はあまりイメージがなかったので、ちょっと怖かったですね。スピードが出そうな子もいるので、体重とか身長とか(の制限)を定めていく、とかなのかなと思う」と話した。

夏休みの楽しい思い出を作りには、安全面での最大限の配慮が求められる。
(「イット!」8月17日放送より)