4年ぶりに観光の活気が戻った沖縄だが、人手不足も問題になっている。
4年ぶりに観光の活気が戻った沖縄について、沖縄テレビの小林美沙希アナウンサーがお伝えする。
国際通りには多くの観光客、“おもてなし”出来るか不安の声も…
沖縄では台風7号の直接的な影響はなかったが、15日は沖縄発着の多くの空の便が欠航となった。
しかし16日朝から通常運行となったため、午前中に那覇空港に行ってみると国内線の到着口からはひっきりなしに観光客が訪れ、空港内は家族連れなどでとても賑わっていた。
埼玉から来た女の子：
沖縄で水族館行きたい！
京都から来た女性：
おいしいもの食べて、海行って、きれいな景色見て。
山口から来た男性：
子供がこちらに移住しているので会いに来ました。初めて！
大阪から来た男女：
沖縄、楽しみま～す！！
そして国際通りは、多くの観光客で賑わっている。コロナによる規制が緩和され、賑わいが戻ってきたが、こちらではちゃんと“おもてなし”ができるのか、不安の声もある。
一番の心配は、人手不足だ。国際通りにあるお店からもこんな声が聞かれた。
国際通りのスイーツ店newQ・照屋一平さん：
売り上げもお客様も（コロナ）前以上になっていて、人手不足がすごく懸念材料になってはいます。
さらに国際通りの第一牧志公設市場では、1階で購入した食材を2階の食堂で調理してもらう「持ち上げ方式」が人気だが、客を待たせずスムーズに接客するためには、人手が欠かせないと話した。
魚久鮮魚・花城綾さん：
技術的に特殊なものですから、人手はすごく足りないのは事実なので、欲しい人材はあるね。一時期は（従業員が）1人、2人だったのでものすごく厳しかった。
国際通りを始め、県内に複数の店舗を構えるこちらの飲食店では、時給を上げて採用に力を入れているという。
あぐ〜りゅうみ・長沼秀明さん：
飲食業に関してはやはり人手不足になっていると思います。うちのほうでも時給アップしたり、人員確保にかなり力を入れています。まだまだ人手がもっと欲しいですね。
沖縄県内の時給の水準は？“時給1600円”の企業が進出する動きも
アルバイトやパートの時給は地域によって水準が違うが、沖縄はどれくらいの水準にあるのだろうか。
コロナ前は、時給1000円を超える店はそう多くなかった。8月、北谷町にオープンする予定の新店舗の求人では時給を1200円にまで上げたことで、ようやく必要なスタッフが集まりだしたそうだ。
時給はどこまで高くすればいいのかと、その不安に追い打ちをかけるような動きもある。
2024年8月、沖縄に初出店するアメリカ生まれの会員制スーパー「コストコ」だ。コストコは沖縄県の南部にある南城市に開業する予定で、地域の住民を中心に、300人から400人を雇用する予定だ。その時給は1600円と、沖縄の最低賃金853円の約2倍だ。
グローバル企業の進出に地元からは期待の声が聞かれる一方、コストコの高額時給は物価の高騰などで収益が悪化し、なかなか給与を上げられず人手不足に陥っている県内の企業や店舗にとっては、大きなインパクトになりそうだ。
この他にも、取材をした飲食店では、書き入れ時なのに従業員が足りないため、営業時間を短縮せざるを得ないと肩を落としていた。
また、土産品店などでも慢性的に人手が足りておらず、特に若い世代は短時間の勤務や週2日程度の出勤回数を好むなど、働く意識が変化しているのではないかと話していた。
国内からの観光客については、コロナ禍前の水準にまで沖縄は戻ってきている。今後の課題は海外、つまりインバウンドだ。
空港スタッフも人手不足で海外便が再開できず
海外路線の定期便再開のニーズは高いが、沖縄の空の玄関口・那覇空港でも地上スタッフが不足していて、対応困難な状況に陥っている。
8月10日に中国政府が、中国人の団体旅行を3年半ぶりに解禁すると発表した。定期便の回復率がコロナ禍前の5割に留まる沖縄にとってビッグチャンスだ。
ところが、中国の定期便をすべて受け入れたくても人手不足のため現実的に対応できず、団体旅行の解禁後も、一気に間口を広げられないもどかしい状況が待ち受けることになりそうだ。
（「イット！」 8月16日放送より）
