キリンビールは、世界で人気が高まる「ジャパニーズウイスキー」を販売する国を、3倍以上に拡大する。
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キリンビールは、フランスの世界的ワインメーカー「ペルノ・リカール」との提携を発表した。
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高価格ウイスキー「富士」は、現在アメリカなど5カ国に輸出しているが、ペルノ社を通じて18カ国に販売を拡大する。
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価格は、日本の約2倍となる1本1万円を想定している。
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2023年9月から順次販売し、2030年に40億円の売り上げを目指すという。
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高価格帯の日本産ウイスキーは、国内外での市場規模がここ10年で2割増加しているという。
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キリンビールは、今回の提携を海外での需要の取り込みに繋げたい考えだ。
世界の注目は“プレミアムウイスキー”
「Live News α」では、一橋ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
今回の提携、どうご覧になるか。
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一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
ジャパニーズウイスキーは世界から注目されており、価格の高いプレミアムウイスキーは、ここ10年で国内外の平均成長率が、プラス20%と伸びている。
キリンの「富士」もそうしたプレミアムなウイスキーの一つで、そのブランド名から「ジャパニーズウイスキーの代表との自信が伺える」という指摘もあるよう。
今回の提携は、この「富士」を世界の新たな市場に投入して、互いに成長を図る戦略的アライアンス、中長期的なパートナーシップといえる。
堤 礼実 キャスター:
互いにとって、どんなメリットがあるのか。
一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
キリンのウイスキーが海外でプレゼンスを高めるためには、世界中に商品を置くことが必須となる。ただ、チャネル構築にはお金も人手も必要となり、時間がかかる。
今回のように、提携先が持つグローバルチャネルと世界に広がる販売拠点を活用できるのは、賢い選択といえる。
ペルノ・リカールは、バランタインやシーバスリーガルなどの商品群を持ち、世界でも有数のラグジュアリー帝国と言われている。世界で「富士」が強いブランドを構築する上では、心強いパートナーになってくれることだろう。
また、そのペルノ・リカールにとっても、付加価値の高い「富士」を、ブランド・ポートフォリオに加えることは、ウイスキー部門の強化につながる。
企業の“相性”が成功のカギ
堤 礼実 キャスター:
こうした提携を、成功に導くためのポイントはどこにあるのか。
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一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
人と人に相性があるように、企業の提携にも相性が問われる。要は、似たもの同士の場合信頼の絆で結ばれやすいということ。
今回の提携でいうと、ペルノ・リカールは、フランス語の Convivialité(コンヴィヴィアリテ)。「人と人の心温まる交流」という言葉で表される価値観を大切にしている。
一方のキリンも、自然と人を見つめるものづくりで、こころ豊かな社会の実現に貢献することをパーパスとして掲げている。
同じ価値観をベースに協業することで、良いパートナーシップを築くことができるのではないだろうか。
堤 礼実 キャスター:
タッグを組んで何かを行うときに、同じ目標を持つことはとても大切なこと。似た目標、そして似た価値観を持つ2つの企業が、日本の文化とフランスの文化を掛け合わせることで、新たな可能性が生まれることに期待したい。
(「Live News α」8月9日放送分より)