旅行に行きたい。でも、ワンちゃんをペットホテルに預けるのは心苦しい。一緒に宿泊できたらなぁ…。そんな愛犬家の期待に応える“ワン”ダフルな温泉旅館が静岡県伊豆の国市にある。
老舗温泉旅館が大胆リニューアル
世界文化遺産の韮山反射炉や伊豆半島を一望できる伊豆パノラマパーク。
静岡県きっての温泉街・伊豆の国市で1913年から続く老舗温泉旅館「伊豆長岡温泉 八の坊」。
100年以上の歴史を有する旅館だが、愛犬家にターゲットを絞った大胆なリニューアルに踏み切り話題となっている。
ワンちゃんにやさしい宿を目指して
ロビーに入ると、そこには飼い主と一緒に歩くワンちゃんの姿。コンセプトは「ワンちゃんにやさしい宿」で、望月敬太 専務は「人もワンちゃんもゆっくりくつろげる空間づくりが一番重要」と話す。
広さ約120㎡の特別室は愛犬と一緒に遊べるよう壁を取り払い開放感にあふれる。床も衝撃吸収性に優れたクッションフロアに張り替え、ソファは防水加工。イスなどは汚れに強いビニールレザーを使用した家具を設置し、ワンちゃんもベッドで飼い主と一緒に寝ることができるなど随所にこだわりが光る。
さらにバスタオルやペットシーツなどのアメニティも充実。ワンちゃん専用の浴衣も用意され、部屋に併設された源泉かけ流しの露天風呂にも入ることができるほか、ワンちゃん専用の露天風呂まである。
また屋上にはドッグラン、玄関前にはワンちゃん専用の足湯、館内にはワンちゃんも一緒に利用できるバーも整備され、利用客も「ずっと一緒に過ごせることが楽しみ」「普段できないことをして一緒に遊びたい」と胸が高鳴っている様子だ。
ワンちゃんファーストで売り上げ増
八の坊では約20年前からワンちゃん同伴の利用客を受け入れていたが、愛犬家に特化することを決めたのは2020年。新型コロナウイルスの影響で客が激減する中で、打開策としてワンちゃんを軸とした再出発を図った。
望月専務によれば元々、年間1000～1500頭が来館していたというが、2023年はすでに7000頭が宿泊し、その結果、売り上げはコロナ禍以前よりも2割増えたという。
ワンちゃんも家族の一員。望月専務は「これからも“ワンちゃんファースト”のおもてなしで利用客の満足度を高めたい」と意気込んでいる。
（テレビ静岡）
