北海道札幌市のホテルの宿泊料金が高騰している。
加えて、非常に予約が取りにくい状況が続いている。
一体何が起きているのか。
宿泊サイトで札幌市内の8月上旬の週末の宿を予約しようとすると、スイートルーム62万円。ビジネスホテルも3万円~4万円と、かなり高額だ。

この夏、札幌市内のホテルの宿泊料金が高騰し、予約が取りにくい状況が続いている。
札幌市を代表するシティホテルでは、スイートルームなどの高級な部屋しか空いていないケースが。

また、通常1人1泊数千円から宿泊できるビジネスホテルも、1泊3万円近くと倍以上の値段になっている場合も。
観光客からは、「札幌市だと非常に高く、7万円くらいする」「予約がとりにくかった。インターネットでは見つからない」との声も。
札幌市中央区の「札幌ビューホテル大通公園」の森野伊智さんは、「予約もかなり入っていて、夏休みはほぼ満室の状態が続く」と話す。
宿泊料金の高騰や、予約が取りにくい原因とは?
①観光客の復活
札幌市は今、夏の観光シーズン真っただ中。

中央卸売市場の場外市場では、旬の夕張メロンや花咲ガニなどを求め多くの観光客が押し寄せている。
市場関係者は「3~4年ぶりだという客が増え、商品が売れている」「客はピーク時よりも多いかもしれない。コロナ禍以前よりも」と話す。
新型コロナの5類移行後、初めての制限のない夏休み。
観光客が増加している。
それに加え、コロナ禍で利用客が減った際に行っていた割引が縮小したことで、宿泊料金が上昇している。

「『サッポロ割』や『全国旅行支援』の割引があってお得な価格だった。正規の料金からの割引率が低くなり、値段が高くなっている」(札幌ビューホテル大通公園・森野伊智さん)
そして、さらに別の要因も。
②36年ぶりの高校総体
「インターハイがあって、多くの高校生が札幌に来ている」(札幌ビューホテル大通公園・森野伊智さん)
36年ぶりに北海道で開催された高校総体。

北海道内外から約3万5000人の選手や関係者が集まった
特に札幌市では体操や陸上など競技が重なり、大会期間中の8月21日まで宿泊施設は予約がつまっている。

札幌市中央区のカプセルタイプの宿泊施設「シアテル札幌」は約60人が宿泊可能で、コロナ禍の閑散期には1泊2500円ほどだったが…。
「団体で全客室貸し切りでの利用は、2022年はなかった。8月は平均で1泊6500円。高い時には1万円でも予約がある」(SQUEEZE・古橋洸樹さん)
宿泊料の高騰や混雑は、全国的な傾向だという。

ホテル評論家・瀧澤信秋さんは、「ホテルの料金は需要と供給のバランスで変動する。そもそもホテルの運営にかかるコストが非常に上がっている。それを宿泊料金に転嫁して運営を改善していかねばならない」と語る。

宿泊料金の高騰は、今後も続く傾向にあるということだ。