結婚や夫の転勤をきっかけに、ゆかりのない土地で孤独に子どもを育てざるを得ない“孤育て”に陥るママたち。福岡市には、そんなママを救うカフェがある。カフェに集うママたちの思いを取材した。

立ち上げたのは3人の男の子のママ

福岡市西区の「つながるcafe」。結婚や夫の転勤をきっかけに福岡に来たママたちが集っている。

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そのママたちの中心にいるのが、このカフェを立ち上げた花木みはるさん(38)。花木さん自身、9歳と6歳、そして1歳の男の子3人を育てている。

「つながるcafe」花木みはるさん:
こっちに来て仕事もないし、知り合いもいなかったので寂しくて。1日がすごく長くて。子どもはかわいいけど、まだしゃべれなかったし…

「1人でも仲良くなれる人いたら…」

以前は大阪で小学校教師だった花木さん。

結婚を機に福岡に引っ越し、すぐに妊娠、出産を経験したが、花木さんを待ち受けていたのは、知らない土地での“孤育て”だった。

「つながるcafe」花木みはるさん:
なかなか友だちができなくて、(それが)大きく変わったのが、市の検診の時に、横に座ったお母さんがすごく話かけてくれて、それで仲良くなって、“1人でも仲良くなれる人がいたらいいんだ”って。
やっぱり子育てっていろいろ大変なことがあるので、1人で頑張るとどうしても辛くなると思うので、ちょっとでも人としゃべったり、ちょっとでもみんなで子育てするっていうことができたらなと

知り合いいなくてもつながれる空間

花木さんが5年前に立ち上げたのが、知り合いのいないママ同士がつながれる「つながるcafe」。福岡市内の寺を借りて、月に2回ほど活動している。

関東や関西などから引っ越してきたママたちは、いずれも“孤育て”の苦労を感じていると話す。

兵庫からのママ:
頼れる人もいないし、「子育てをどうしたらいいんだろう」という悩みもちょっと相談することもできないし、病院とかでわざわざ相談することじゃなくて、ちょっと誰かに聞いてほしいとかいうのが話せないのがつらかった

大阪からのママ:
気分転換にちょっと外に行ってみようかと思っても、1人ぼっちだし、土地勘もないから、どこに行っていいか分からない。スーパーに行って、帰ってきたりするだけ。仕事を探すのも勇気がいる。仕事ができるようになったと思ったら、すぐ動かないといけないこともあるので、踏み出しにくいというのはある

そんなママたちにとって「つながるcafe」は、“孤育て”から解放されるコミュニティづくりの場所となっているようだ。

高知からのママ:
「つながるcafe」という名前の通り、みんながつながっている場所というので興味があるイベントがあったら参加させてもらっている

大阪からのママ:
転勤で次の土地があるというのが分かっている前提で、今、この場所でどう楽しむかがすごく自分にとっても子どもたちにとっても大事。「つながるcafe」はありがたい

特技生かし茶道イベント開催するママも

中には「つながるcafe」で特技を生かしてイベントを行うママもいる。

20年ほどの茶道歴を持つママ。その特技を生かして「つながるcafe」で茶道のイベントを開催した。

茶道イベントを開催したママ:
「子どもがいるからできない」というわけではなくて、「お子さんも一緒に連れて来ていいよ」と打ち合わせも応援しながらして下さるので、本当にありがたかった。
自分の好きなことを発信すると、それが好きな方が参加者として来て下さるので、いろんなつながりができたり、おでかけしたり、すごく楽しい

子育てで大事 自分を満たして笑顔に

自身の体験から「つながるcafe」を立ち上げた花木さん。

この場所を訪れたママたちの笑顔に自分自身も元気をもらっていると話す。

「つながるcafe」花木みはるさん:
お母さんが自分を満たして笑顔でいることが子育てですごく大事。1日の中で30分、人に会うだけでも、全然、違うってことを私も思ったので、本当は月曜日から金曜日まで空けておきたい。「いつでもどうぞ」って

「カフェのようにふらっと来られる場所にしたい」という花木さん。

「つながるcafe」は、慣れない土地で子育てをするママたちの癒しの場所になっている。

(テレビ西日本)

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