東京・表参道にオープンする体験型の美容拠点がお披露目された。

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コロンとした丸みのあるコンパクトサイズのシェーバー、ラムダッシュ パームイン(9月発売)。

植物由来の塗料を使った新色のドライヤー、ナノケア (9月発売)は、パッケージのプラスチックの95%削減を実現した。

こうした新商品など、さまざまな美容家電を無料で試すことができる、Panasonic(パナソニック)の体験型美容施設が、東京・表参道に登場する。

28日のオープンを前に、25日に報道陣にお披露目された。

Panasonicビューティ・パーソナルケア事業部長・南波嘉行さん:
脱マスクやインバウンド増の状況から特に美容に関する投資が高まっており、よりお客様との接点を強化していくタイミングとなりました。

フロアにはドライヤー、ヘアアイロン、美顔器にスチーマーなど、人気の美容家電がずらりと並んでいる。

その場で体験できるのはもちろん、独自の技術を使ったこんなサービスも。

取材ディレクター:
こちらでは髪の毛の状態を分析してくれるということなんです。お願いします。

髪の毛の状態を可視化してくれるサービス「髪キレイ」では、専用のカメラで撮影すると、画像をAIが解析。髪のツヤやうねり・ダメージがどれくらいあるかを分析してくれる。

Panasonic店員:
下の方を集中的にケアしていだたくと、ホームケアで直ってくるかなと。

また、メイクをしたまま見えないシミやしわを判別できる、スノービューティミラーという無料の肌分析もある。

診断結果から自分に合ったおすすめの商品をお試しできる
診断結果から自分に合ったおすすめの商品をお試しできる

こうした診断結果に合わせて、おすすめの美容家電をアドバイスしてもらった後は、奥のスペースで商品をじっくり試すことができる。

このほか、2階のラウンジでは有料でスキンケアのレクチャーが受けられ、地下にはイベント用のスタジオなども用意されている。(事前予約制・有料)

世界に向けたLiveコマースも、ここから発信していくという。

Panasonicビューティ・パーソナルケア事業部・飯澤貴浩さん:
あくまで「体験・情報発信」といったことを目的としたお店になっている。これまでの美容感度層の客だけでなく、インバウンドのお客さんであったり、これからのPanasonicビューティーを支えてもらう、若い世代の方々にも商品の良さを実感していただきたい。

パナソニックが提供する“快適な暮らし”

「Live News α」では、一橋ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤 礼実キャスター:
体験型の美容拠点、どうご覧になりますか。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
パナソニックは日本を代表する家電メーカーですが、パナソニックが売っているのは家電ではありません。便利で快適な暮らしを提供しているのです。

それが美容家電であるならば、お肌や髪の毛を整えるのは、あくまでプロセスのひとつで、自分に自信が持てる“ミライの私”を提供しているのです。

そして、今回の体験型美容拠点は、最新の美容家電のお試しができるだけではなく、美しくなるアプローチを知ったり、それを体験できる楽しい場所なのです。

これをマーケティングでは「リテールテインメント」と言います。

堤 礼実キャスター:
具体的には、どういうことでしょうか。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
小売を表すリテールと、娯楽を意味するエンタテインメントを合わせた言葉で、これからのリアル店舗のあるべき姿を示していると言われています。

リアル店舗がただのモノを売る場所だったら、その利便性では、もはやオンラインにはかないません。

お店で新しい商品や知らない機能を発見して、それを「見たり」「聞いたり」「試したり」する楽しい体験との出会いの場になっていないと、なかなか消費者に足を運んでもらえません。

例えば、ショーケースの商品を眺めるだけのお店と、ふかふかのソファーに座って商品を手にとり、お店のスタッフとトークを楽しめるお店では、消費者の好感度は違いますよね。

「まず触れる」豊かな経験を提供

堤 礼実キャスター:
今回はパナソニックですが、いま、メーカーが直接運営する店舗が増えていますよね。

一橋ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
アップルやアディダスなど、消費者への体験提供を重視したメーカーが直営店舗を持つのは、体験の提供と、それを通じたファンづくりのためです。

例えば、最近、原宿にできたフェンダーの「ビル丸ごとギター」のフラッグシップショップは、ギターを売るお店ではなく、ギターが弾けるカッコイイ自分をイメージできる体験型リテールテインメントを提供しています。

“タイパ”が重視される一方で、消費者は、頭の中にある時計を忘れられるような体験を求めているのかもしれません。

これからの強いブランドづくりには、高品質・高機能の商品に加えて、豊かな体験を提供することが求められます。

堤 礼実キャスター:
価格が安いものではない電化製品などは、気になるものを購入前に一度試してみたいですよね。

実際に最新の機器を体験できたり、さまざまな美容サービスが受けられるということですから、性別や年齢に関係なく、自分に自信を持つきっかけに繋がるといいですね。

(「Live News α」7月25日放送分より)