厳しい暑さが続く中、食べたくなるのは、冷たい「かき氷」。
SNSでは今、「#氷活(ひょうかつ)」とつけて、おいしく映えるかき氷の写真をアップする人が続出している。
想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」では、そんな「かき氷」に注目。
「トッピングがナナメ上なかき氷」「3分で溶けちゃうかき氷」、「食べるほど汗が出ちゃうかき氷」に「人力発電かき氷」まで、意外な進化を遂げたかき氷を紹介する。
まずは今、話題のかき氷から。
進化形かき氷
東京・谷中にあるかき氷専門店「ひみつ堂」。
連日、2時間以上の行列だという超人気店の一番人気は「ひみつのいちごみるく」。

自然の寒さでゆっくり育った天然氷に、静岡県産のいちごの果実を使った蜜がたっぷりとかかる。
いちごの甘酸っぱさと、ミルクのコクが相性抜群の一品だ。
そして、東京・六本木にある“かき氷ブームの火付け役”と言われる有名店「KAKIGORI CAFE&BAR yelo(カキゴオリ カフェアンドバー イエロ」にも話題のかき氷がある。
それが「ティラミスDX」だ。

口に入れた瞬間、一瞬で溶けてなくなるほど、なめらかでフワフワな氷の上にマスカルポーネクリームとココアパウダーがふりかけられており、濃厚な味わいとさっぱりとしたあと味のバランスが絶妙なかき氷となっている。
他にも、東京・武蔵野市の「cafe Lumiere(カフェルミエール)では“燃えるかき氷”、その名も「焼き氷」が人気だという。

かき氷を覆う、ふわふわなメレンゲをフランベしてからいただくという、なんとも新感覚なかき氷となっている。
こんな趣向を凝らした進化形の絶品かき氷が続々登場する中、ナナメ上に進化しちゃったかき氷もあった。
ナナメ上な変わり種かき氷
かき氷といえば、甘いシロップや、みずみずしいフルーツのトッピングなどが一般的。
しかし、さいたま市にある「プランピーマニア」では、夏の風物詩同士の夢コラボ「冷やし中華 かき氷」が登場した。

キュウリ、トマト、ハムなど、冷やし中華に使われる食材をかき氷にトッピング。
具の下は食感がアクセントの揚げ麺が入っており、しょうゆダレかゴマダレをかけて味わう“食事系かき氷”となっている。
そして去年3月、大阪にオープンしたかき氷専門店「和ごころ なか道」には、さらにナナメ上な“食事系かき氷”があった。
日本全国から、そのかき氷目当てにマニアが集まるという、そんなナナメ上なかき氷を注文。
するとと出てきたのは、かき氷に天ぷらがのった「天丼氷」だ。

エビ、トウモロコシ、レンコンなど13種類の揚げたて天ぷらが、かき氷に山盛りになっている。
天丼感覚で楽しめるかき氷というが、気になるその味を調査員が確かめてみる。
調査員は「上に乗っているのは普通の天ぷらですね。塩気がほしいと思ったんですが、食べ進めていくと慣れてきますね」と話す。
天ぷらは塩で味付けされており、その下には生クリームの泡状のムースがたっぷり。

さらに氷部分には「みるくしょうゆ」がかかっており、さまざまな甘みと塩みが同居して、一緒に食べると何とも言えない甘じょっぱさが口いっぱいに広がるという。
なぜ、このようなかき氷が誕生したのか。
もともとは、天ぷらをメインに扱う和食店だったというこのお店。
しかし、ある日、かき氷専門店で食べたかき氷のおいしさに衝撃を受け、自らもかき氷を作り始めたのだという。

「最初は甘いかき氷をずっとやっていたんです。たまたま余った天ぷらをかき氷の上にのせたんですよ、ふざけて。それがマッチしたんです」(和ごころ なか道 大開店オーナー・中道叔也さん)
すると、口コミで評判が広まり、今では和食店をやめ、10種類以上のかき氷を提供する、かき氷専門店にしてしまったのだという。
続いては、もはやかき氷じゃない!?かき氷が登場。
3分で溶けちゃうかき氷
奈良にある台湾スイーツカフェ「猿沢豆花(さるさわどうふぁ)」のかき氷。
冷たい氷の中に入っていたのは、なんと熱々のゴマ団子が6個。
ゴマ団子が熱すぎて、かき氷なのに湯気も出ていた。

台湾スイーツの桂花胡麻湯圓(けいかごまたんえん)と、かき氷を組み合わせたこのスイーツ。
ゆでたての団子がすぐ氷で冷やされることで生まれるシコシコ感が評判を呼び、今では人気ナンバーワンのかき氷だという。

しかし、熱々団子のせいで当然、すぐに氷が溶けてしまい、かき氷として食べられるのは約3分間だけ。
でも、溶けた後はスープとして楽しむこともできるという。
続いては、食べるほど汗が出てきてしまうかき氷。
激辛かき氷
冷たいかき氷は、食べれば涼しくなれるため、汗とは無縁のはず。
しかし、和歌山・那智勝浦町にある「カフェコッペ」には、その逆をいくナナメ上なかき氷があった。
メニューには一般的なかき氷店と変わらないラインナップ、かと思いきや、「裏メニュー」という文字が。
その名も「激辛・ハラペーニョ ラフランス」。

「食べるほど汗が出ちゃうかき氷」とは、激辛でおなじみ、青唐辛子ハラペーニョを約3本分使ったかき氷だった。

調査員が勇気を出して注文すると、出てきたかき氷の上にはハラペーニョとラ・フランスを合わせたソースがたっぷりとかかっていた。
さらにハラペーニョのペーストがトッピングされている。

調査員が食べてみると「うわ…、辛いです。喉にダイレクトにくるというか、今までのかき氷と全然違いますね」とのこと。

冷たいかき氷を食べているのに大量の汗が吹き出てしまう。
激辛かき氷と格闘すること約9分、無事に完食した。
だが、なぜ激辛かき氷を開発したのか。

「かき氷は体が冷えすぎてしまうので、体を燃やしてもらいたいなというのがあって、辛いものを考案してみました。ちょっと辛くなりすぎてしまいましたね」(「カフェコッペ」かき氷クリエーター・岡本美也子さん)
食べるほど汗が出ちゃうかき氷がある一方、「食べるまでに汗をかくかき氷」も発見した。
人力発電かき氷
お店でかき氷を頼むと、当然、店員さんが作ってくれる。
しかし、埼玉・戸田市にある冬は焼き芋、夏はかき氷を移動販売している「いも子のやきいも」には「人力発電かき氷」と書かれたのぼりがあった。

その言葉通り、いも子のやきいも代表・阿佐美やいも子さんから「自転車に乗って準備してください」と促される。

そう、ここのかき氷は、かき氷を食べるために自ら自転車をこいで、発電を行い、その電力をかき氷器に送ることで氷を削るという、大変なシステムだった。
こいでいる時間の平均は約1分とのことだが、冷たいかき氷を食べるため、調査員は必死にペダルをこぐ。

こぎ始めて約30秒が経過すると、一杯分の氷を削ることができた。

ちなみに自転車をこがなくてもかき氷は食べられるが、人力発電だと50円引きと、ちょっとお得になるため、体力に自信がある方は挑戦してみても面白いかもしれない。
暑い夏を乗り切るために、みなさんもナナメ上に進化したかき氷を食べてみてはいかか。
(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年7月25日放送)