若い女性が孤立し、犯行にかかわる事件が後を絶たない。SOSにいち早く気づき、支援の手を差し伸べるには。
若い女性を積極的に支援する「LiNK」
札幌市による若い女性への支援事業「LiNK(リンク)」。月に一度、札幌市のススキノや大通周辺などの繁華街を夜回りしている。

若い女性に声をかけ、悩んでいることがあれば相談窓口を紹介する。このような活動の背景にあるのは…。

2019年6月、札幌で当時2歳の女の子が十分な食事を与えられず衰弱死した事件。
2022年5月、生まれたばかりの男の赤ちゃんが殺害され遺体がコインロッカーに放置された事件。

いずれも関わったのは20代前半の母親だった。
課題となったのは若い女性の孤立と支援の在り方だ。

札幌市は2021年、10代後半から20代の女性を主な対象として支援を行う「LiNK」を立ち上げた。
「悩んでいても『なかなか誰にも言えなかった』という人がいる。やっとの気持ちで『LiNK』に話してくれた女性もいた。見えなかった気持ちを言える場所があるのが『LiNK』の存在意義」(LiNKスタッフ・橋本彩加さん)
行っているのは、自ら働きかける“アウトリーチ型”の支援。

相談されるのを待つのではなく、支援が必要な人を見つけ積極的に相談に乗っていく。
「これぐらいの年代の子は、私を含め人に言えない悩みを持っている子が多い。話しやすい“お姉さん”たちだったので、頼ってみたいという気持ちはある」(20代の女性)

繁華街の夜回りだけではない。
SNSパトロールも
毎週木曜日にはSNSを閲覧しパトロール。支援を必要としていそうな女性にメッセージを送っている。

この1年半で225人の女性から相談を受け、18人に宿泊場所を提供するなどの実績をあげてきた。
「家庭内での居場所のなさ、一緒に生活をしている交際相手からの暴力、予期せぬ妊娠など、女性がひとりで問題を抱えて悩んでいるケースは多いのではないか。若い女性から『もっと早く支援とつながりたかった』という声も聞く。つらい気持ちを抱えている女性が、ひとりでも減ってほしいと活動している」(LiNKスタッフ・橋本彩加さん)

若い女性の孤立を防ぐ。支援の現場は模索を続けている。
(北海道文化放送)