7月21日、取材班が向かったのは、千葉・野田市。SNSで賛否を呼ぶ、あるものを取材するためだ。
住民からは“慣れた・意識変わる”の声も…埋め立て費用など約3億円削減
野田市に到着し、ゴミ置き場を見てみると、出されたごみ袋に書かれていたのは“住民の名前”。

野田市では、指定のゴミ袋に名前を記入しないと回収されない、独自のルールがあるのだ。

「私はそれぞれがマナーを守る上で(名前を)書いた方が、みなさん自覚が生まれるのではないかと思う」と話すのは、野田市民。長年の習慣となっているため、住民はこの変わったルールをさほど気にしていない様子だ。

しかし「息子の高校のお母さんたちの集まりがあった時に、『えっ!野田市は(ゴミ袋に)名前書くの?』と言われて。『そんなところには住めない』と言われました」という声も。

石山奈帆さんが住む地区では、この日が“可燃ごみ”の日。

しっかりと分別をして、袋に入れたら、最後に名前を記入する。しかもフルネームだ。

野田市民・石山奈帆さん:
私は慣れてるので、そこまで抵抗はもうない。名前を書くことによって、意識は変わると思います。

野田市ではこの取り組みによって分別が進み、大幅にごみが減少。埋め立てなどにかかる費用、約3億円を削減できたという。

名前を記入する必要のない東京都内で聞くと、性別を知られることなどへの不安の声が上がった。
20代女性の2人組:
恥ずかしい。個人情報丸出しですよね。大丈夫ですか、それ。
ストーカーにあったらどうするんだろう。
10代:
どんな人が歩いているのかわからない所で、フルネームを出すのは抵抗がある。
他の自治体でも導入の中、廃止検討の自治体も
野田市だけではなく、長野・塩尻市は、袋に名前を書くことを条例で義務化している。

さらに福井・鯖江市も1年ほど前から同様の取り組みを始める中、山口・岩国市は、プライバシー保護の観点から廃止を検討している。

ごみ袋を巡っては、住民の意識を高める取り組みとして、京都・亀岡市や福岡・柳川市など、袋の表記を「燃やすごみ」から「燃やすしかないごみ」などに変更した自治体もある。

ごみの削減か、プライバシーの保護か。いずれにせよ、ひとりひとりの自覚ある行動が求められている。
(「イット!」7月21日放送より)