岸田首相は、21日、政府の進める政策をめぐり国民と意見交換するための「全国行脚」をスタートさせた。
初回は、栃木県。「積極的に様々な声や現場の声を聞かせていただく全国視察、この夏、特に力を入れたい」と、自らの代名詞としている「聞く力」を強調した。
岸田首相は、栃木県足利市にある障害者の就労支援などに取り組むワイナリー訪問。施設の利用者らと、車座で障害者支援のあり方などについて意見交換した。

その後、岸田首相は記者団の取材に応じ「障害を持つ人が、働く喜びを実感しながら力を合わせて地域に貢献して、世界のワイン通を唸らせるほどのマインド生み出している。そうした姿を拝見して感銘を受けた。多様性が尊重される社会、意欲がある人が全ての方が、その力を発揮できる社会、これを目指していかなければならない」と述べた。
その上で「本年10月で内閣総理大臣就任から2年となり、これまでも多くの声、聞く力、こうしたものを強調して政策を取り組んできたが、引き続き政権発足の原点の姿勢、これを大事にしていくためにも、積極的に様々な行為や現場の声を聞かせていただこうと。全国視察、この夏、特に力を入れ、取り組みを始める」と、国民に寄り添う姿勢を強調した。

岸田首相は、この夏、少子化対策やデジタル化促進などの重点政策を中心に「全国行脚」を進める。視察先で「聞く力」をアピールすることで、内閣支持率の低下に歯止めをかけたい考えだ。しかし、政府内からは、「聞くだけではなく、聞いた上で政策を前に進めることことが大事だ」と厳しい声もあがっている。