山形・新庄市は7月11日、東北中央道・新庄インターチェンジ付近の大規模な道の駅構想について「断念する方針」を議会に説明した。議会からは「なぜこの時期の発表なのか」などと批判の声が上がった。

道の駅事業推進「財政運営上あり得ない」

多くの市民が傍聴する中、始まった常任委員協議会。

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説明に訪れた新庄市都市整備課・長沢祐二課長は冒頭で「市民の皆さまに混乱を与えていることを、誠に遺憾と思っている」と述べた。

最上8市町村と商工団体が整備を目指していた「道の駅」。設置主体となる新庄市は、新庄インターチェンジ南側に整備した場合、事業費が58億円規模になる見通し。

7月4日、屋内外の遊戯施設や温泉施設などを併設すれば、総事業費は100億円を超えると試算した文書を議会に提示した。

そのうえで「あわせて120億円の市役所庁舎と新庄小学校の改築は先送りできず、このまま道の駅事業を進めることは財政運営上あり得ない」として、大規模な道の駅の整備を断念する意向を示した。

最小限の道の駅では経済効果見込めない

この市の方針に対し、議員からは…。

田中功市議:
なぜこの時期に出さなければならなかったのか疑問がある

伊藤健一市議:
今までの話を聞くと「金がかかる10年も先になる」。あまりやりたくないのかという匂いを感じる

市側はトイレや休憩施設など、必要最小限の機能を備えた道の駅は引き続き検討すると強調したが…。

伊藤健一市議:
必要最小限の道の駅ではにぎわい・交流人口拡大・経済波及効果が何も見えない。どうなのか? やりたくないのでは

新庄市・長沢祐二課長:
休憩施設。十字路なので休憩機能・ドライバーのトイレ・飲食のための物販などは必要。「断念」したのではない

市側は、7月21日の市議会全員協議会であらためて説明を行うが、理解を得られるかは不透明。方針を示してから1週間。周辺7町村と商工団体にはいまだに詳細な説明はなされていない。

(さくらんぼテレビ)

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