北朝鮮は12日、少なくとも1発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。防衛省は先ほど、すでに落下したとみられると発表した。

浜田 防衛相:
北朝鮮は本日9時59分ごろ、北朝鮮内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射しました。
防衛省によると、北朝鮮は12日午前9時59分ごろ、少なくとも1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射した。

防衛省は、発射された弾道ミサイルは午前11時13分ごろ、朝鮮半島の東方約550キロの日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下するとみられると発表。そしてその後、落下したとみられると発表した。

浜田防衛相は、迎撃しにくいとされる高い角度の「ロフテッド軌道」で発射された可能性について、「飛翔の時間等を考えれば、可能性はないわけではない」と述べている。
ここ数日、米韓を非難する談話を連続して発表していた北朝鮮
韓国軍は先ほど、北朝鮮が日本海に向け、長距離弾道ミサイルと推定される1発を発射したと発表。ミサイルは1時間以上飛行していることから、通常よりも高い角度で発射する「ロフテッド軌道」で発射された可能性がある。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、6月15日以来。

北朝鮮では10~11日にかけ、金正恩総書記の妹・与正氏が、「アメリカ軍の偵察機が経済水域上空に侵入した」と非難する談話を繰り返し発表するなど、アメリカと韓国へのけん制を強めていた。
今回が、北朝鮮が発射すると宣言していた2回目の軍事偵察衛星だったのかについては、まだ情報はない。韓国は、北朝鮮の動向を注視している。
岸田首相から電話で松野長官に「直接指示」 情報収集や分析急ぐ
一方首相官邸では、松野官房長官が記者会見を行い、岸田首相から電話で対応について指示があったことを明らかにした。

松野 官房長官:
不測の事態に備え、万全の態勢をとることについて、(岸田首相から)あらためて電話で私に直接指示がありました。現時点では被害情報等の報告は確認はされていません。

松野長官は、外遊先のリトアニアにいる岸田首相から「国民に対し迅速・的確な情報提供を行うこと」などの指示があったと述べた。
また、ミサイル発射について「断じて容認できない」として、北京の大使館ルートを通じ北朝鮮に抗議したことを明らかにした。

そして昼頃、浜田防衛相らが総理官邸に集まった。NSC=国家安全保障会議の4大臣会合を開催し、情報の分析や、今後の対応を協議することにしている。
NATO首脳会談中に…ミサイル発射 北朝鮮の狙いは
北朝鮮の弾道ミサイル発射の狙いについて、フジテレビ鴨下客員解説委員に聞いた。

フジテレビ・鴨下 客員解説委員:
タイミングについては11日~12日にかけて、NATO首脳会議に日米韓の首脳が集結して、北朝鮮を強くけん制するメッセージが出されるタイミング。それに向けて、北朝鮮が先手を打ってきたという風に言える。
また7月27日に、朝鮮戦争から休戦70年ということで、北朝鮮は軍事パレードなどの準備を進めている。アメリカへの強硬姿勢を鮮明にすることで、朝鮮半島の軍事的緊張を高めて、内部結束を強化するという狙いがあると見られる。
(「Live News days」7月12日放送より)