春になると南の国から渡ってくるツバメ。近年、減少傾向にあるものの、佐賀市富士町では “7世帯”ものツバメが倉庫に巣をつくり子育てに励んでいます。そして今、子育てのシーズンは終盤を迎えています。
50年前からツバメが子育てする倉庫
佐賀市富士町にある杉山貞信さんの倉庫では、現在、“7世帯”のツバメの家族が子育ての真っただ中です。

巣からひょっこり顔を見せたり、口を大きく開けてエサを食べたりしているツバメの赤ちゃんは、この夏に生まれました。

橋爪アナウンサー:
山あいにあるこちらの小屋、中に入ってみると…梁(はり)にたくさんのツバメの巣ができています。ひなたちの元気な鳴き声が聞こえてきます

杉山さんによると、約50年前から毎年つがいがやってきて、梁には50もの巣ができているそうです。今の時期はホウレンソウの出荷作業をしながら、ひなの成長を見守るのが杉山さんの日課です。

杉山貞信さん:
チュンチュン言ったりするので「もうそろそろ巣立つ頃ね」と。ひなが羽ばたきの練習とかする。巣のふちで。そういうのを見ていると「あーもうそろそろ巣立つね」とかいろいろ考えたりする
珍しい“六つ子”のひなも
中でも杉山さんが気がかりなのが、生後1カ月ほどの“六つ子”のひなです。

杉山貞信さん:
もう巣立つ前ですね。6羽は本当に珍しい。多くても5羽はいたけど、6羽のひなはめったに見たことない
羽ばたきの練習をするなど巣立ち間近とみられていて、親鳥は一日に何往復もして、せわしなくエサを運びます。
「また来年も来てほしい」
杉山さんの倉庫には2023年3月上旬からツバメがやってきて、すでに10の家族が倉庫から巣立っています。現在子育てシーズンは終盤で、9月中旬までに巣立ち、東南アジアなど南の国に向かって飛び立つそうです。

杉山貞信さん:
ツバメは自分の生まれたところを覚えていると言う。だから生まれたひながまた来年来ると思う。中には途中で事故とかに遭うひなもいるかもしれないが、元気に巣立って、また来年来てくれるのが一番の願いですね
(サガテレビ)