インスタグラムと連携した新たな文章投稿サービスが登場 。今後ツイッターと、ユーザー争奪戦を繰り広げるのか注目されている。

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インスタグラムやフェイスブックを運営するメタは、当初の公開予定を1日前倒し、5日にテキストベースの会話アプリ「Threads(スレッズ)」を公開した。

アップルやグーグルのアプリストアから無料でダウンロードでき、日本語を含む30以上の言語に対応している。

インスタグラムのアカウント名や、フォロワーもそのまま引き継ぐことができる。

ザッカーバーグCEOは「提供開始から7時間で、登録者が1000万人を超えた」と明らかにした。ツイッターの牙城を崩す存在となるのか、注目が集まる。

誹謗中傷などに対応した「やさしいSNS」

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しい、IoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
早速、スレッズを使ってみたとのことですが、いかがですか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
ツイッターの誹謗中傷等がひどい状況を危惧しているからか、スレッズは「やさしいSNS」を目指していると感じました。

例えば「非表示ワード」が登録できます。これは不適切な言葉やフレーズ、絵文字を含む返信を非表示にすることができる設定です。

ツイッターで嫌な書き込みをしてくる人や、見たくない投稿が表示されて気分を害したことがある人には嬉しい機能です。

また、使い勝手についていうと、投稿は500文字まで、写真や動画が10枚まで投稿できます。ツイッターは4枚なので、これは便利です。

機能性はデータ蓄積で改善可能

堤 礼実 キャスター:
一方、改善の余地があると、感じた点などはありましたか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
例えば、名前がアカウント名で表示されていて、ニックネームがなく、誰の投稿かがわかりづらいです。インスタも同じくニックネームがないので、今後もこのままなのかもしれません。

また、検索はユーザーアカウントのみで、投稿内容の検索ができません。さらに、ハッシュタグもありません。

ツイッターでは、投稿から必要な情報を検索したり、災害発生時等には、まとめ情報としても重要な役割を発揮していた機能なので、良質な検索性を実現してほしいところです。

堤 礼実 キャスター:
そういった問題点がいくつもある中で、みんなが使うスタンダードなSNSツールになるには、何が必要なのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
2022年、生成AIのChatGPTの利用者が1週間で100万人に達したことに驚いたが、メタのザッカーバーグ氏によると、わずか1日で、その10倍にあたる1,000万人以上が利用しているとのことです。

このユーザ増を、スタンダートまで定着させるには、20億のユーザが利用しているインスタグラムとの連携と、先日お話しした「ネットワーク効果」が重要です。

誰かの投稿が他の誰かの役に立つと、そのSNSは流行る、ということですが、検索性の課題も含め、データが蓄積されることで分析が可能となり、どの情報を優先するかという精度も上がるため、心地よい体験を生み出すことは可能です。

スレッズをリリースするにあたり、他のSNSは十分研究しているはずなので、少し長い目で見れば、ツイッターとの機能的な差はほぼなくなるでしょう。

ただ、機能面の充実も重要ですが、個人的には、誰もが安心して使える「やさしいSNS」の面を追求してほしいと思います。

堤 礼実 キャスター:
まだ、未知のことが多いわけですが、こういったサービスが継続的に利用されていくためには、他のSNSと、どう棲み分けられるかという点が大切になってきます。

ユーザーによってこのサービスが育てられていく中で、SNSが持つ良い側面に期待したいですね。

(「Live News α」7月6日放送分より)

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