多くの観光客でにぎわいを見せる京都市の嵐山。しかし、あるものが足りず、困惑の声が上がっているということだ。

ごみ箱からごみがあふれて道路にまで散乱

コロナ禍前は、年間約800万人が訪れていた人気観光地・嵐山で何が足りないのだろうか。

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観光客に話を聞くと、「コーヒーを買って飲み終わったんですけど、今ごみ箱探してるんですけどなくて、ちょっと困って探してるところです。食べ歩きのお店はあると思うんですけど、それに対してごみ箱が少ないな」と話す人や、「ごみ箱は少ないですね。店内に入らないとごみ箱はない」と話す人がいた。

足りないものとは「ごみ箱」。

飲食店が立ち並ぶ人通りの多い通りだが、見渡しても全くごみ箱が置いていない。

通りには元々、京都市が管理するごみ箱が設置されていた。しかし、ごみ箱からごみがあふれかえり、道路にまで散乱。
これを受け、複数のごみ箱が撤去されたのだ。

京都市まち美化推進課・多田納一真担当課長:
街頭にあるごみ箱にごみが散乱するという事情もあって、地元の要望を受け、ごみ箱を撤去したということがありました。

ごみ箱がないため、店の人に食べ残した抹茶アイスを手渡す観光客もいた。

ごみ箱を増やしても回収が難しい

一度は撤去したものの、地元商店街の会長は、やはりごみ箱は必要だと話す。

嵐山保勝会・牧野順二会長:
以前はごみ箱があったんですけど、ちょっとあると山盛りで余計に景観を悪くするので、色んなところでポイ捨てもあるし、食べ残しをして汚くなっちゃうのもある。なんとかしないといけない。
(市に)元のところにとりあえず、ごみ箱を置いてもらいましょうというところ。

現在ごみ箱は、商店街から数100メートル離れた場所にあるものの、午前9時と午後3時の様子を見比べてみると、ごみ箱はあふれてしまってる。

観光客の回復に伴い増えるごみ。
市は、ごみ箱を増やしたとしても回収が難しいため、地元の人との協力が必要だとしている。

京都市まち美化推進課・多田納一真担当課長:
ごみ箱はごみを呼ぶというところもある。回収の方法や地元のご協力を一緒に考えていく必要がある。

有名観光地が抱えるごみ問題。
地元や行政だけでなく、観光客自身が、なるべくごみを出さない努力も求められる。


(「イット!」7月6日放送より)