自民党の菅義偉前首相は5日、訪問先のインドで記者団に対し、福島第一原発の処理水の海洋放出について、「決して先送りできない」と強調した。
原発の処理水の海への放出をめぐっては、4日に政府が、IAEA=国際原子力機関から国際的な安全基準に合致するとした包括報告書を受け取った。
菅前首相は、訪問先のインドでこれについて問われ「科学的根拠に基づいて我が国の取り組みが国際安全基準に整合的と結論づけられた」と指摘した。
その上で「ALPS処理水の処分は決して先送りできない、そういうものだと思っている」と強調した。そして「国内外にしっかりと説明しつつ、安全性の確保に万全を期して、実施すべきだ」と述べた。
菅氏は、政府が2021年に処理水の海洋放出を正式決定した際の総理大臣で、方針を最終判断した。