インスタグラムやフェイスブックを運営するIT大手メタが、ツイッターのような短文投稿型アプリの提供を6日にスタートすることがわかった。

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メタが6日に提供を開始する新たなアプリ「Threads(スレッズ)」は、インスタグラムのテキストベースの会話アプリ。

お気に入りのクリエイターなどをフォローし、直接つながることができると説明されている。

料金は無料で、日本語を含む30以上の言語に対応する。

インスタグラムのアカウント名やフォロワーも、そのまま引き継げる。

同様のサービスを展開するツイッターは、一日に読める投稿数を一時的に制限する措置を取ったことから、一部で不満の声が高まっていて、今後利用者が「スレッズ」に流出する可能性もある。

混乱中にリリース狙ったメタ社

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
この「スレッズ」とは、どんなアプリになるのでしょうか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
7月6日リリースということなので、公表されている範囲での紹介になりますが、基本的にはツイッターのようなテキストベースでのやりとりができるSNSになります。

インスタグラムのサブアプリのような位置付けとなり、インスタグラムのDM機能をスレッズからも使えたり、「食事中」など、わざわざつぶやく必要がないステータスをフォロワーと共有することができます。

堤 礼実 キャスター:
ツイッターから離れたユーザーの「受け皿」となる可能性はあるのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
現在、受け皿候補となる類似サービスはあるのですが、新規参入企業の場合、単純にプラットフォームに投資しても、広告収入や利用料収入を得られるレベルでサービスを維持できるかが不確定で、なかなか純粋な対向馬といえるサービスが登場しづらい市場環境にあると言えます。

その点、20億人以上の利用者がいるフェイスブックやインスタグラム、ワッツアップを運営しているメタ社なら安心感があり、実現性という意味でもツイッターの「受け皿」として本命と言えるでしょう。

3日の放送でもお話ししましたが、マスク氏がツイッターを買収して以来、サービスの利用制限など様々な変更が行われ、利用者が混乱しているこのタイミングで、スレッズをリリースすべきとメタ社は判断したのではないでしょうか。

他SNSの機能搭載で成功実績

堤 礼実 キャスター:
プラットフォームの大移動が本当に起きるのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
すでに多くのユーザが使っているSNSでは、「ネットワーク効果」と呼ばれる力が働きます。
これは簡単にいうと、「誰かがつぶやいた時に、そのつぶやきによって他の誰かがなんらかのメリットを得る」ということです。

つまり、より多くの利用者が、よりアクティブに使っているSNSの方が、その効果は大きくなります。

一旦スレッズが話題となって短期的に利用者が増えたとしても、ネットワーク効果が得られない場合は、プラットフォームの大移動というほどの結果は出ないかもしれません。

なので、今回のスレッズ登場のタイミングで、インスタグラムと連動している良さを引き出せるかが、大移動が起きる「鍵」となると思います。

これまでも、メタ社は、SnapChatの発想から“ストーリー”を生み出し、TikTokの発想から“リール”をはじめていて、世界中のSNSの良いところをインスタグラムに搭載してきた歴史があります。

今回、ツイッターからスレッズが生み出される訳ですが、個人的には使ってみるのが楽しみです。

堤 礼実 キャスター:
今回発表されたサービスは、情報収集と人との交流、どちらがメインになるのかまだわかりませんが、さまざまなサービスをバランスよく適度な距離感で、使い分けていくことが求められるのかもしれませんね。

(「Live News α」7月4日放送分より)

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