なぜ車道の真ん中に大鳥居?
取材班が向かったのは熊本市。そこで目にしたのは信じがたい光景だった。
この記事の画像(22枚)車道のど真ん中に立つ鳥居。高さと幅はともに10mで、2本の柱が交差点にそびえ立っている。
左折レーンにある柱は車線から大きくはみ出していて、道幅は約2mしかなくなっている。
車は通れているのだろうか?
軽自動車など小さな車であれば、速度を落として走れば大丈夫のように見える
一方、タクシーぐらいの大きさになると、かなり慎重に通り抜けないといけないようだ。
しかも、鳥居には車でこすった様な黒い跡が残っている。
危なくはないのか?左折レーンを通ってもらうと…
取材スタッフ:
うわー、もうギリギリですね。ゆっくり行かないとこすっちゃいそうな…怖い
タクシーは車体をこすらないよう、かなり慎重に左折していった。
鳥居ができた秘密を神社の関係者は…
そもそもなぜこのような場所に鳥居があるのだろうか?
交差点に立つ鳥居をくぐり、参道だという道路をまっすぐ約300m進むと、現れたのは藤崎八旛宮。
交差点に鳥居ができた秘密を神社の関係者に教えてもらった。
藤崎八旛宮・藤岡敬士 権禰宜:
道路があるところに鳥居を建てたのではなく、鳥居があるところに、だんだん道路ができてきたと。そして今のような形になったということでございます
鳥居が建てられたのは1930年ごろ。
当時の参道はまだ土がむき出しで舗装もされていなかった。
戦後の1965年、車の普及とともに参道を生活道路として使う住民が増加。
そこで熊本市は鳥居を残したまま神社から鳥居までの参道を無償で借り受け、市道としたのだという。
道路の真ん中に立つ鳥居は不便ではないのか?近隣住民に聞いてみると子供のころの鳥居の写真を見せてくれた…
近隣住民(60代):
(写真の鳥居を指さして)これが鳥居なんですよ。幼稚園の頃はまだ砂利で。そのころ車社会になって、うまく(鳥居を)避けて(通る)。これが当たり前の生活ですね
鳥居が立つ車道でこれまで大きな事故は起きていないという。
藤崎八旛宮・藤岡敬士 権禰宜:
この鳥居はずっとこの先、100年も200年もあり続けるものでございますので。やや狭いですけれども普通の乗用車であれば、ゆっくりめに気をつけて通っていただければと思います
神社側はバスや大型車など幅の広い車は左折をせずに迂回してほしいと呼びかけている。
(イット! 6月29日放送より)