愛知県岡崎市のスーパー「プラザヒラク」は、“激安”で知られ、連日大勢の客で混み合っている。そこには、繁盛店の常連客ならではの買い物テクニックがあった。
激安スーパーを攻略する買い物術

愛知県岡崎市にある創業約35年のスーパー「プラザヒラク」は、三河エリア屈指の激安スーパーだ。

サバの切り身は3つ入って324円(税込み)、うどんやそばの袋麺も3つで84円(税込み)。

この日は水曜日。開店は午前10時だが、20分前には店の前に100人以上が行列を作っていた。

水曜日は「水曜市」が開かれていて、新鮮なハクサイが1玉108円(税込み)、ホウレンソウが3束で108円(税込み)、イチゴは1パック税別200円以下など、特にお値打ちになる。

行列の先頭に並んでいた女性客のカゴには、すでに商品が入っていた。
女性客A:
そこで欲しいものだけちょっと拾ってきたけど…
早い人は1時間以上前から並び始め、待ち時間も有効活用していた。店の外に並ぶお値打ち品をオープン前から確保しておくのが、効率の良い買い回り術だという。

帽子をかぶってストールを撒いていた女性客がいた。
女性客B:
並ぶので、帽子とストールは必ず要りますね。それくらいの覚悟で来ています
人気スーパーの行列には、紫外線対策も必須。

常連客ならではの買い物術だ。
スピード重視の女性客はレジ打ち中に小銭並べ素早く支払い
午前10時、いよいよ開店だ。

帽子とストールの女性客に同行した。
女性客B:
すごいですよ、(ハナビラタケが)2個100円だって…。鶏肉も100グラム108円とか…頑張ってますね!

店はオープン直後がとても混み合うため、買い物はスピードが命。必要なものは手早く購入し、全体の流れを止めないのが買い物上手のマナーだ。

この女性のカゴは、入店からわずか10分足らずでいっぱいになった。

女性客B:
重いです…。五十肩なのに、腕がキツいです
店のレジは、オープンからたった15分で大行列に…。

スピード重視のこの女性は、レジ打ち中に大量の小銭をトレーに並べた。
女性客B:
小銭出すのに焦っちゃうから、金額が決まった瞬間に回収して
手早く会計を済ませるため小銭を先に用意し、支払額が決まったら余りを財布に戻す。

後ろの人たちの待ち時間を少しでも短くしたいという、愛が溢れるテクニックだ。
7人家族の女性は健康を考え赤身が多いものを吟味

精肉コーナーの前で、5分以上肉を眺めていた2人の女性がいた。

カゴには牛肉のパックがいくつも入っていた。

女性客C:
7人家族だから
すき焼きやプルコギにするというが、健康を考えて肉を吟味していたのだとか…。
女性客C:
赤身が好きなもんだから、赤身がなるべく多いところを選んでる
連れの女性客D:
やっぱり食べ物なんで、栄養のことも考えている

家族の健康を考え、同じパックの牛肉でもなるべく赤身が多いものを選んでいた。
激安イベントでパンを大量購入する自称ドケチ系YouTuber
午後1時前、レジとは別の場所に行列ができていた。

毎週水曜恒例の「50円菓子パンセール」の行列だ。

このセールは午前10時と午後1時の1日2回開催されているが、通常100円以上する山崎製パンの商品が半額以下で買えるため、開店直後は客が殺到し争奪戦になる。

午後からのタイムセールに1時間以上前から並んでいた先頭の余郷博貴さんは、仕事の傍ら「激安」や「ケチ」をテーマにした動画を配信している、自称・ドケチ系ユーチューバーだ。

余郷博貴さん:
仕事もやっているんですけど、YouTubeもやっているんですよ。ケチな番組ばっかりなんですけど。激安なものとか。たぶん、みんなが引くくらいのケチ
足元には商品が半分ほど入ったカゴと、空のカゴ。セールが始まると、テンポよく2つずつパンを掴み、どんどんカゴに入れていく。その手は止まらず、あっという間に2つのカゴが満杯になった。

週に1度の激安イベントを利用して大量に仕入れる。これがドケチ系YouTuberの買い物術だ。

大量の菓子パンをどのように保管・消費しているのか、妻と2人で暮らす余郷さんの自宅に伺った。

購入したパンは全部で38個もあった。
余郷博貴さん:
食べきれる量はそのままなんですけど、冷蔵庫に入れて大丈夫なものに関しては、冷蔵庫に保存していますね。冷蔵庫と野菜室で
冷蔵庫のスペースを無駄使いしないよう、すぐに食べるパンは常温で保管し、残りは冷蔵庫へ。

先週は、約40個の菓子パンを購入したというが、冷蔵庫の中に残っていたのは1個だけ。

妻と2人で、1週間で約40個の菓子パンを消費するといい、この日買ってきた残りのパンも冷蔵庫にきれいに収まった。

しかし、中には消費期限があと4日というパンもあった。
余郷博貴さん:
まあ全然、自分の中ではあまり問題ない。カビが生えるかどうか。カビが生えなければOKっていう。夏場になると4日目くらいにはカビが生えてくるので、季節に合わせて。だから冬場はもうめちゃくちゃ買いますけど
争奪戦の10円セールで52点爆買いの女性も

午後4時になり「プラザヒラク」の店内にはまたも行列ができていた。

店員:
お待たせいたしました、卵88円です!
卵が95円(税込み)のタイムセールだ。

1パック300円になることも珍しくなくなった今、並んででも買いたい商品だが、その行列には目もくれず、別の場所で待機する女性たちの姿があった。

女性客E:
今日、10円セールが4時から始まる予定なので、それを狙って来ているんですけど。1時間半くらい前から場所取りをしようと思って
卵はスタンプカードを使って既に無料で手に入れていた。

この女性は1時間ほど前に、店長に聞いて「ゲリライベント」の情報を仕入れていた。よりお得な方を選び、確実にものにする。まさに買い物のプロだ。

10円セールは、300円相当のたこやきの粉やうどんつゆなどが税別で10円になるだけでなく、もやしやしめじ、チンゲン菜などの野菜も全て10円になる超お値打ちなセール。

10円セールを並んで待っていた女性客が買ったのは、たこ焼きの粉や野菜など52点、しめて520円(税別)だった。

たこ焼きの粉は、1袋で約40個のたこ焼きが作れる。

この女性は、たこ焼きだけでなく、お好み焼きにアレンジしたり、お友達にあげたりして、有効活用しているという。
(東海テレビ・2023年4月20日放送)