Googleは、初となる折りたたみスマートフォンを7月に発売するのを前に、実機を報道陣にお披露目した。

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Google Pixel Foldは、開いてタブレットサイズにすると、画面の“折り目部分”が分からないほどフラットで、1枚の大画面として使える。

また、画面を2分割して、2つのアプリを使ったマルチタスクも快適にできる。

通常のスマホとしての使いやすさも重視
通常のスマホとしての使いやすさも重視

一方で、折りたたんで通常のスマホとして使用する際の「使いやすさ」にも重点を置いている。

通常のスマホの画面比率に近い画面や、折りたたみ式スマホでは最も薄いデザインを採用している。

Googleは「エンタメ用途以外にも、日々の生産性を上げるのにもお役に立てるスマートフォンになっている」としている。

予約は6月20日から始まっており、価格は25万3千円(税込み)で、7月31日に発売開始する。

課題は“パソコンと同程度”価格

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
Google初の折りたたみスマートフォン、どうご覧になりますか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
本を読んだり、動画を見たり、オンライン会議で共有される資料を見たりと、さまざまなシーンで、「スマホでは画面が小さい」と不満に思う方は一定います。

そこでPCを買わず、スマホとタブレットの2台持ちという方がいますが、折りたたみスマホなら、1台で済みます。

ただ、世界的に見ても、折りたたみスマホのシェアは1.3%程度と、大きな市場には成長していません。

一つには価格の問題があります。SamsungのGalaxy Z Fold4も、GoogleのPixel Foldも約25万円必要で、ハイスペックなノートパソコンと同じほどの出費が必要になります。

堤 礼実 キャスター:
折りたたみスマホをリリースしたGoogleの思惑は。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
実はスマホの市場は縮小傾向にあります。部品価格の高騰もあり、メーカーは「利益率の高いハイエンド機を売りたい」という傾向があります。

スマホは、世界シェアの7割が上位5社で独占されている中、Googleのシェアとしては低い。実は、日本ではGoogleのPixel7シリーズの販売は伸びていて、2位の実績となっています。

そんな中、iPhoneにはない折りたたみ型を投入し、高い年齢層の方、高所得者層に対してiPhoneからの乗り換えを狙っているように思えます。

プライバシー保護どこまで?

堤 礼実 キャスター:
いま、スマホが抱える課題としては、どういったものがあるのでしょうか。

 IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
スマホの新機種にワクワクすることが少なくなり、今のでもいいか…という声もよく聞かれます。

その一方で、世界中の人が当たり前のように使うデバイスだからこそ、データの管理や保護が大きな課題となっています。

例えば、TikTokやマイナンバーアプリもそうですが、データをどこの国で保管するのか、プライバシーをどこまで保護すべきか、などについて、どこまでハードウエアとして考慮するのか、OSとして規制するのか、が大きな問題となりそうです。

また、スピーカーやイヤホン、VRヘッドセットなど、デジタルデバイスがどんどん高度化しています。この流れが行き着く先としては、”何でもスマホを中心に”という事がなくなり、スマホの一部機能が切り出され、高度化されたデバイスがたくさん登場する時代がやってくると思われます。

堤 礼実 キャスター:
今や生活に欠かせないスマートフォンですが、各社、進化し続けている中で、どう差別化を図り、iPhoneが強い日本の市場でどうシェアを広げていくのか、注目したいなと思います。

(「Live News α」6月27日放送分より)

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