5月18日、東京・目黒区の自宅で猿之助容疑者と両親が倒れているのがみつかり、父親の市川段四郎さん、本名・喜熨斗弘之さん(76)と母親の延子(75)さんが死亡した事件。

この記事の画像(9枚)

27日、警視庁は、歌舞伎俳優の市川猿之助、本名・喜熨斗(きのし)孝彦容疑者(47)を母親の自殺を手助けした疑いで、逮捕しました。

今後の捜査のポイントはどこになっていくのか?「めざまし8」では2人の専門家に詳しく話を聞きました。

若狭勝弁護士:
今回は母親に対する自殺容ほう助なんですが、父親に対する容疑というのは今のところまだどうなるか分からない、そこで母親に対する自殺ほう助と父親に対する何らかの容疑というのを分けて、今回段階的にやろうとしているのではないかというところが、今回の事件についての非常に大きなポイントなのではないかと。

若狭勝弁護士
若狭勝弁護士

――事件から41日目の逮捕となりましたが、今後捜査にはどの程度の期間が必要?

元埼玉県警捜査一課警部補 佐々木成三氏:
自宅内の犯行については、鑑識資料というのがすべて証拠になり得ないんです。例えば第三者が自宅に入ったならば、指紋だったりDNAが証拠になる。ただ、自宅内での鑑識資料というのは、DNAがあっても指紋があっても証拠になり得ない。そんな中で、まず最初は供述ですね。猿之助さんの供述を現場の状況や、司法解剖の内容などと一個一個すりあわせて矛盾する部分があるのかどうか、ということをかなりすり合わせてやっていると思います。

元埼玉県警捜査一課警部補 佐々木成三氏:
もちろん逮捕して起訴されて裁判になって、無罪を訴えたとしても、自殺ほう助という中での状況証拠、直接証拠というのがあった上で、検察官と話し合いしながら自殺ほう助を選んでいますので、ここはかなり自信を持った捜査をしているのではないかと。

――罪が確定するまではどれくらいかかる?

若狭勝弁護士:
少なくともこれで、22日後くらいには、母親に対する自殺ほう助で起訴されると思われます。父親に対しては、再逮捕がありえると私はみていますけども、再逮捕されたらさらに22日だから合計で1カ月半、そして実際に公判が始まるまでには、早くても3カ月くらいかかるので、早くて今年の12月までには判決が出ると。場合によって起訴事実を争うことになったら、1年先、2年先に判決ということになると。

若狭勝弁護士:
あくまでも、自殺ほう助や承諾殺人とというのは、あくまでも被害者側が死ぬ気であるとということが前提なんです。ですから自殺ほう助は自殺する気持ちがある人に対して手助けするということで。ただ、自殺ほう助は殺人罪に比べると6カ月以上7年以下の懲役または禁錮という比較的軽い犯罪ということにはなってきます。

――有罪になった場合、執行猶予はつくのでしょうか?

若狭勝弁護士:
自殺ほう助ということだけだとすると、執行猶予がつくことがほとんどだと思います。例えば老老介護的なところであった事象だったりした場合とか。自殺ほう助は刑がそもそも軽く7年以下なので、そういう意味では、執行猶予が十分につくケースだと思います。ただ母親対しての自殺ほう助と、もし父親に対しても自殺ほう助だったとしたら、今回一緒に逮捕してもいいと思うんです。それを分けたということが、今回のポイントだと思いますし、だから父親に対しては単なる自殺ほう助とは片付けられないんじゃないかなと。警察の見方があって、だから猿之助さんを逮捕して、じっくりと事の真相を聞き出そうというところが結構、今回の事件の特殊性、ポイントではないかなと。

(めざまし8 6月27日放送より)