モリアオガエルの繁殖地として知られる福島県川内村の平伏沼。梅雨の時期となり、産卵のピークを迎えている。村のカフェでは「川内村に来てもらえるきっかけにして欲しい」と、この風景をイメージした飲み物の販売を始めた。

国内有数の繁殖地・平伏沼

平伏沼にかかる木の枝を覗くと、葉っぱの間にモリアオガエルの卵塊が見られる。モリアオガエルは水辺の木や草に、泡状の卵塊を産み付けるのが特徴で、その大きさは直径約20センチ。梅雨の時期が産卵のピークで、卵塊内でふ化したオタマジャクシは水面にに落ち泳ぎだす。

平伏沼のモリアオガエルの卵塊 水辺の草木に産み付ける
平伏沼のモリアオガエルの卵塊 水辺の草木に産み付ける
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2023年は、雨不足などの影響で卵の個数は例年より少ないということだが、一目見ようと訪れた人の姿があった。いわき市から訪れた80代男性は「草野心平さんの詩で川内村は有名なので、1回行ってみたいと思って来てみた。こういう所は残していった方が良い」と話す。

詩人・草野心平も愛した川内村の豊かな自然
詩人・草野心平も愛した川内村の豊かな自然

メロンソーダで表現

川内村の「カフェ秋風舎」では、平伏沼とモリアオガエルをイメージした飲み物の販売を始めた。「平伏沼メロンソーダ」は、水面に映える緑色をメロンソーダで表し、卵塊をイメージしたホイップクリームにカエルの形をしたグミも乗っている。

平伏沼をイメージした「平伏沼メロンソーダ」
平伏沼をイメージした「平伏沼メロンソーダ」

草野心平の詩にも登場する平伏沼。「カフェ秋風舎」の志賀風夏さんは、以前詩人・草野心平ゆかりの「天山文庫」で管理人も務めていた。「平伏沼があっての川内村というイメージもあるので、大切にしていかなけばいけない自然資源だなと思っている」と志賀さんは話す。

草野心平が蔵書を寄贈したことでできた「天山文庫」 その管理人だった志賀さん
草野心平が蔵書を寄贈したことでできた「天山文庫」 その管理人だった志賀さん

ソーダが村を知るきっかけに

川内村をより知ってもらいたいという思いで開発したメロンソーダ。志賀さんは「カフェだと気軽に、平伏沼ってどんなとこだろうと想像することが出来たり、こういうカエルがいる事を初めて知られる方もいらっしゃるので、ここを川内村の自然だったり環境の入口にして興味を持っていただければと思っています」と話した。
美しい風景の平伏沼。冷たい飲み物でも楽しんでみてはいかが。

(福島テレビ)