電車の優先席を利用した駐日ジョージア大使。そのツイートが波紋を広げている。大使に優先席を利用したいきさつ、反響に対する思いを聞いた。
“バズる外交官”の投稿に批判 空いている優先席を利用
電車の座席に座り、くつろいだ様子で本を読む外国人の男性。その背後には「優先席」と書かれている。
この記事の画像(17枚)これは6月18日、ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使が「ゆらゆら都心へ進みます」と投稿したツイート。
レジャバ大使といえば、ツイッターで22万人超のフォロワー数を誇る人呼んで“バズる外交官”。
家族で回転寿司に行くなどの日常の場面や、「親子で親子丼を頂きます」と流ちょうな日本語でのユーモア溢れる投稿が人気だ。
先日は、大使館員らと都内のラーメン店を“表敬訪問”して「命の一杯です」と投稿し、話題を集めた。
ところが、その大使が投稿した電車の優先席をめぐるツイートには、多くの批判の声が寄せられた。
「優先席だぞ、そこ」
「優先席とは必要とする人が来たときに、すぐ座れるように空けておくべき席だと思っていました」
この他にも様々なコメントが飛び交い、論争状態となった。
「誰もいなけりゃ座っていいやろ」
「“専用”ではなく“優先”。まだ席が空いてる時点で問題なし」
一体何が起きているのか。レジャバ大使を直撃し、発端となったツイートを投稿したいきさつを聞いた。
「生きづらい社会になってしまうのではと」
ティムラズ・レジャバ駐日大使:
私は結構、日常のことはよくツイートしたりするので、その一環ですね。妻に写真を撮ってもらって、なんとなくいいなと思って、都心へ向かう様子を投稿しました。
「日常を何となくツイートした」つもりの投稿に広がった波紋。ネット上での様々な指摘に対し、レジャバ大使はツイートで自身の考えを強調した。
「優先席に座っていることに関して注意を受けました。空いている席に座ることに何ら問題はありません。大切なのは、必要とする方が来たときに率先して譲る精神です」
そもそも優先席について、鉄道会社側はこう説明する。
東急電鉄:
ルールではなく“お願い”という形で配慮していただいている。お年寄りや妊娠中の方、からだが不自由な方などには座席をお譲りください。
利用法に明確なルールがない優先席。座らない考えの人は少なくない。
「優先席は、空いていても座らないようにしています」
「基本的には座らないようにしている。ベビーカーや具合の悪い人用だと思って」
一方で、肝心な時に譲るのなら、座ってOKという人もいる。
「全然座ってもOKだと思います。みんなの席なので」
「優先席を使うべき人が来た時に譲ればいいので、もし空いていたら座っても別に大丈夫だと思います」
ただ、先に座っている人がいると、譲ってほしくても声をかけづらいという声もあった。
「けっこう優先席だと寝てたり、うつむいている人も多いので、なかなか(譲ってと)声かけづらくて」
「譲ってくださいとは、なかなか言いづらいところはある」
自身の投稿が波紋を呼ぶ中、あえて自らの考えを発信したレジャバ大使。その真意をこう説明する。
ティムラズ・レジャバ駐日大使:
「座ってはいけない」という明確な決まりはないわけですから、そういった声を気にしすぎると逆に生きづらい社会になってしまうのではと、自分もすごくプレッシャーを感じてですね。ちゃんとこれは、説明しなければいけないと思ってですね、自分なりの意見を述べました。
その上で、多くの人が意見を述べたことに意味があったと話す。
ティムラズ・レジャバ駐日大使:
皆さん普段、心にはあるけれども深く話さなかったりする問題に対して、何か一つ、きっかけ作りができたことは、投稿して良かったと思います。
(「イット!」6月20日放送)