岸田首相は18日、母校・早稲田大学を訪れ、1000人を超える学生に対し講演を行うとともに、学生からの質問に答えるなどした。
この記事の画像(6枚)岸田首相は、1982年に早大の法学部を卒業していて、母校の“象徴”大隈講堂で行われた講演には、約1100人の学生が出席した。
田中愛治総長の紹介を受け、講演に臨んだ岸田首相は、「思い返すと、『まさかこんなことは起こらない』と思っていたいくつもの“まさか”を実感せざるを得ない」と話を切り出した。
そして、自身の歩みを振り返り「人生は道草、回り道の連続」とした上で、「模範的な大学生とはいえなかった自分が40年以上経って、母校の大隈講堂で内閣総理大臣として講演をするのは、まさに当時としては想像もできない“まさか”だ」と述べた。
岸田首相は、G7広島サミットなど外交を中心に講演したが、政権が掲げる「新時代リアリズム外交」について、早大の校歌の一節「現世を忘れぬ久遠の理想」を引き、「大きな理想を掲げながら、一方で徹底的な現実主義を貫く」と強調し、核軍縮・不拡散など、サミットで取り組んだ課題について話した。
講演の最後には、早大生に「伝えたいこと」として、「人生で経験するあらゆることに意味がある。人生に無駄なことはない。失敗したと思っても、その失敗は必ず将来に意味をなす」と語った。
また、学生からは岸田首相に対し、日中関係や少子化対策などについて質問があり、岸田首相は政府の方針について説明した。
約1時間にわたり講演と質疑を行った岸田首相に対し花束が贈呈されたが、プレゼンターの女性は、ウクライナから避難して現在は留学生として学んでいるという。
その後、岸田首相は学生らとともに校歌を斉唱し、「フレーフレー早稲田」とのエールを三唱したが、応援部は続いて「フレーフレー岸田」と三唱。岸田首相が照れ笑いを浮かべる一幕もあった。
早大出身の首相は、岸田首相で8人目。会場には、早大出身の森喜朗元首相の姿もあった。