今や買い物でポイントを活用しない人はほとんどいないのではないだろうか?
そんなポイントサービスの草分けとも言える「Tポイント」が、三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」と統合し、来年春から新たな「Vポイント」になると13日に発表された。

(出典:株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
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公開された新しい「Vポイント」のロゴマークは、「Tポイント」に使われていた青と黄色で「V」の文字を型取り、新ポイントの世界を表現したという。

新しい「Vポイント」は、Tカードのように店舗などで提示することで100円につき1ポイント付き、さらに三井住友のカードで支払うことで200円につき1ポイントが付くという。

(出典:株式会社三井住友フィナンシャルグループ)
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元々の「Vポイント」は、三井住友のクレジットカードを利用した金額によってもらえるポイントを、買い物の支払いなどに使えるサービスで、会員数は約2000万人いるという。

一方「Tポイント」は、今から20年前にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社が始めたポイントサービスで、日本全国の15万店舗で利用でき、会員数は約1億2600万人を誇る。

この両者が統合されると、単純計算でのべ1億4600万人の会員がいる、国内最大級のポイント経済圏が誕生するのだが、実は数年前から「Tポイント」は、提携企業の離脱が相次ぎ苦境にあると言われていた。

(参考記事:離脱企業が続々…「Tポイント」が崖っぷち? 利用者の“今後の賢い選択”を専門家に聞いた

(画像はイメージ)
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消費者にとってメリットのある提携です

果たして、今回の統合で「Tポイント」は苦境を脱することができるのか?そして気になる、新しい「Vポイント」はどんな人にオトクなのか?
ポイント交換案内サービス「ポイ探」の代表取締役を務める菊地崇仁さんに聞いた。

 

――今回の統合をどう思う?

TポイントとVポイントの弱いところが補われ、消費者にとってもメリットのある提携だと思います。


――なぜ「Vポイント」と「Tポイント」は統合した?両者にどんなメリットがある?

Tポイントは2003年開始と共通ポイントの老舗で知名度は抜群です。しかし、最近はPontaポイント、楽天ポイント、dポイントに鞍替えする加盟店も多く、かなり劣勢です。

一方、Vポイントは対象のコンビニや飲食店でタッチ決済すると5%(7月以降はスマホでのタッチ決済は7%)と大量のポイントを発行して新たな経済圏を作りだしていますが、しかし知名度がない。

昨年、VポイントとTポイントの統合が発表された時、Twitterのトレンドに出てきたのは「Vポイント」でした。おそらく、「Vポイントって何?」という事でトレンド入りしたのでしょう。
そもそもVポイントの利用者は約2000万人と発表されていますが、知らない間に三井住友銀行のポイントがVポイントに変わっていたなど、Vポイントを持っていること自体知らない消費者も多いと思います。

抜群の知名度はあるが他社に比べて状況の悪いTポイントと、ポイントはガンガン発行しているが、知名度がないため経済圏としては微妙なVポイント、この2者が統合すれば知名度があって貯まりやすいポイントを作ることができます。

今まではTポイントの加盟店が脱退することが多かったですが、これからは加盟店も増えるはずです。新たな経済圏を作り、銀行・証券・カード・保険などで一気に囲い込むというのが統合の内容かなと思います。

 

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――「Tポイント」を脱退する店が多かったのはなぜ?

提携企業の離脱が続いたのは、他のポイントがたまりやすいからです。

楽天は楽天市場でポイント10倍などのキャンペーン、dポイントはドコモの料金にたいしてdカード GOLD保有者は10%のdポイントを獲得できるなど、ポイントが勝手にたまります。

勝手にたまったポイントを使って消費者は買い物をするため、送客効果(編集部注:顧客を送り込んでもらうこと)が非常に高いです。いろいろな店で使える共通ポイントは、ポイントおまとめサービスというより、送客サービスなのです。

加盟店にとっては、共通ポイントを導入したことで、どれだけお客さんを集客できたかが重要で、楽天ポイントやdポイントはたまったポイントを使いに来てくれます。
この送客効果が低ければ、加盟店は共通ポイントを導入するメリットはありません。


――今回の統合で「Tポイント」は窮地を脱することができる?

可能性は高いです。
ただし、たまりやすいポイントにするには、「三井住友カード(NL)」などを消費者が作る必要があり、これ以上クレジットカードを持ちたくない、と言う人が多ければ復活は難しくなります。
 

新「Vポイント」はコンビニ・飲食店によく行く人にオススメ

――新しい「Vポイント」は、今「Tポイント」「Vポイント」を使っている人にもオトク?

Tポイントのみ、Vポイントのみを利用していた人は+αでポイントがたまるので、どちらの利用者もおトクです。


――統合のデメリットはある?

ほぼありません。あるとすれば、顧客データがどう使われるかでしょう。

三井住友カードにとっては、決済額と決済したお店は今でも把握できますが、何を買ったかまでは把握できません。Tポイントの場合は何を買ったかまで把握できるため、そのデータがカード会社や銀行などでどのように使われるかはわかりません。


――新「Vポイント」はどんな人にオススメ?

コンビニや飲食店などで還元率が高いクレカがあるため、これらを良く利用する人にはおすすめです。

特に若い人が行くようなお店での還元が高いです。これらのお店を使わない人にはそこまでのメリットはありません。

 

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――こうしたポイントの統合は今後もある?

ここまでの大型ポイント同士の統合は滅多にないと思いますが、新しい経済圏はどんどん誕生すると思います。

JR東日本(JRE POINT)、JR西日本(WESTERポイント)、イオン(WAON POINT)、ANA、JALなどもポイントがたまりやすく、使いやすい状態にし、グループでの囲い込みをはじめているため、どの経済圏を利用するかなどを考えていく必要があります。


――ちなみに今一番おすすめのポイントサービスは何?

今のところは楽天ポイントが強いです。
金融サービスの連携、ネット通販でのポイント還元率の高さ、無料で貯められるサービスの多さなど、いいところが多々あります。

 

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「Vポイントを持っていること自体知らない消費者も多い」とは驚きだが、使っていないポイントに気づいた経験は誰にでもあるのではないだろうか。三井住友のクレジットカードを持っている方は、2024年春の統合の前に、Vポイントが貯まっていないか一度確認したほうがいいかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。