“柔らかい1円玉”が存在するのを知っているだろうか?今ネット上でその1円玉が話題となっている。

Twitterユーザーの粟さん(@awa2425)が投稿したのが、手のひらサイズの「1円貨幣ぬいぐるみ」

思わず買ってしまったという柔らかい1円貨幣
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中央に大きな「1」の数字に、「令和四年」という製造年もしっかり確認できる。グレーの濃淡で硬貨の凹凸が表現されており、本物の1円玉そっくりな見た目だ。

粟さんは造幣局で見かけたそうで、「こんな…なんやねん、一円玉のぬいぐるみとか…買ってもうたやんけ(造幣局)」と、驚きと共に購入した旨をコメントしている。

Twitterでも同様に「何これほしい」「おもろいもの売ってるんですね、造幣局って」「欲しすぎる…」といったコメントが寄せられ、1万6000のいいねが付く話題となっているのだ(4月22日時点)。

違った切り口で貨幣の魅力を伝えられないか

4月1日に発売したばかりだが、SNSで話題となり大阪市の造幣局本局のショップでは完売だという。造幣局で売っているというのも興味深いが、1円玉以外にも10円や500円など硬貨の種類がある中、なぜ1円玉なのだろうか?そして、なぜぬいぐるみなのか?

製作した株式会社オークコーポレーション(東京・渋谷区)店舗運営部の浅野史郎さんに話を聞いてみた。

ーーなぜ貨幣をぬいぐるみすることにしたの?

弊社は全国各地の水族館、博物館、美術館などでミュージアムショップを専門に運営している会社です。造幣局では2014年からグッズの企画、販売に携わっており、ショップを通じて造幣事業の意義や魅力、奥深さを発信してきました。

造幣局のショップでは造幣局がつくる貨幣セットや金属工芸品、もしくは「造幣せんべい」や「造幣ゴーフル」といったお菓子が人気なのですが、それらの定番商品とは違った切り口で貨幣の魅力を伝えられないか、というのが長年の課題でした。

貨幣のぬいぐるみを作りたい、という構想自体は数年前からあったのですが、なかなか納得のいく完成度に辿り着けず、製品化できないでいました。昨今ぬいぐるみの製造技術が進化して1円貨幣の特徴を表現できるようになった為、ようやく製品化することができました。

1円貨幣ぬいぐるみ 表(提供:株式会社オークコーポレーション)

ーーそもそも、ぬいぐるみというアイデアはどうやって思いついた?

現行貨幣をモチーフにした商品に対するニーズは高いのですが、立体物の場合は本物の貨幣と誤認しないつくりになっている必要があります。商品になった時に一目で貨幣と理解できるけれど、絶対に本物と誤認しないもの、という難しい条件で悩んだ結果、ぬいぐるみというアイデアにたどり着きました。

また、弊社が全国各地のミュージアムショップを運営する経験から、ぬいぐるみであれば幅広い世代の方に喜んでいただけるのではないかと考えました。

“認知度の高さ”と“緊張感のなさ”が選ばれた理由

ーー1円・5円・10円・50円・100円・500円と種類がある中から、1円が選ばれた理由は?

以前、造幣局で働く方から1円貨幣がいかに大切なものかというお話を伺ったことがあります。1円は日本の経済を支える通貨の最少単位ですから、もし造幣局が1円を疎かにしたら、世界経済や皆さまの暮らしの根幹が揺らぐことになります。その矜持と使命感を持って造幣局が貨幣を製造しているのだということを何とかして伝えたいと思いました。

また、1円貨幣は年代を問わず日本で暮らす皆さまが常日頃身につけている数少ない共有アイテムの一つでもあり、少額であるがゆえに貨幣の中でも最も緊張感なく触れられるものだと思います。この認知度の高さと緊張感のなさがぬいぐるみという素材と上手くフィットしてくれると考えました。弊社では1円から500円までの通常貨幣6種類をモチーフにした手ぬぐいも販売しているのですが、この時もまず第一弾として1円貨幣モチーフのものを作った経緯があります。

1円貨幣ぬいぐるみ 裏(提供:株式会社オークコーポレーション)

ーーこだわった部分を教えて。

片手でずっと持ち続けたくなるサイズと触り心地にこだわりました。また今年製造したので、ちゃんと年銘を令和4年にしなければと思い、令和4年製造の貨幣の画像から「四」という文字を描き起こしました。


ーーでは、製造にあたり難しかった部分はある?

最初の試作ではどら焼きのような平たい形だったのですが、試作を重ねることで縁のエッジを作りコインの形を表現しました。

これをきっかけに造幣事業への理解と親しみを

ーーこだわったという、実際の触り心地はどう?

ふわふわです。鞄から下げても、枕元に置いても全く邪魔にならない、いつも身近にいてくれるぬいぐるみになってくれました。


ーー造幣局本局では既に完売という反響だが、それに対してはどう感じている?

思いのほか反響が大きくて驚きました。これをきっかけに造幣局に興味を持つ方が増え、造幣事業への理解と親しみを深めていただけると嬉しいです。


ーー今後、1円以外の貨幣のぬいぐるみ化は予定しているの?

まだこれを作ると決まったものはありませんが、多くの方から他の貨幣での展開もご要望としていただいておりますので、ぜひ検討してみたいと思います。

(提供:株式会社オークコーポレーション)

1円玉ぬいぐるみは、直径約12cm、厚さ約6cmのサイズで、造幣局本局(大阪市)とさいたま支局内の「ミントショップ」にて、1個800円(税込み)で購入できるという。

残念ながら現在、造幣局本局に在庫はなく、さいたま支局でも22日の昼前に完売になってしまったという。追加での販売はあるのか造幣局の担当者に聞いたところ、「現在は未定です」といった回答だった。

最近はキャッシュレス化が進み、1円玉を触る機会も減っているが、担当者が語るように、最も緊張感なく触れる貨幣の1円玉とぬいぐるみの相性がよく想像以上の人気を生み出したのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。

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