福岡市に、AIには出せない色味を再現し、白黒写真をカラー写真へと生まれ変わらせる写真修復専門店がある。

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52年前(1971年)に撮影された、買い物風景の白黒写真がカラーになると…。

鮮やかに蘇った1971年に撮影された白黒写真
鮮やかに蘇った1971年に撮影された白黒写真

親子が乗る自転車の色や建物の他に、青空の濃淡もくっきりと再現された。

もっと古い、1960年代に福岡の繁華街、中州で撮影された親子のスナップ写真。

モノクロからカラーに変身した1960年代の写真
モノクロからカラーに変身した1960年代の写真

カラーになることで、時空がつながったような鮮やかな印象になった。

白黒写真を生まれ変わらせたのは、福岡市で写真修復専門店をオープンした、モノカラ代表・伊藤晃生さんだ。

この日の依頼は・・・。

モノカラ・伊藤晃生代表:
拝見いたします。

遺品整理で見つけた、亡くなった祖父母の結婚式の写真。撮影されたのは、61年前の1962年だ。

早速、編集ソフトを使い、手作業で1カ所ずつ丁寧に色をつけていく。

AIでカラー化するのが一般的だが…。

AIには出せない色味、手作業で再現

なぜ、伊藤さんは、手作業にこだわるのだろうか。

モノカラ・伊藤晃生代表:
AIでカラー化すると、最後まで色が塗られなかったり、正確な色でないことがほとんど。様々な調査をした上で色を再現している。

AIと手作業を比べると、手作業は色ムラなどもなく、背景までしっかりと再現されている。

白黒だった結婚写真も着物やネクタイが色を帯び鮮やかに
白黒だった結婚写真も着物やネクタイが色を帯び鮮やかに

伊藤さんが依頼された作業を進め、数日後。新婦の祖母の振り袖は、赤い花などで彩られ、新郎の祖父のネクタイは金色に蘇った。

依頼主:
すごーい。

モノカラ・伊藤晃生代表:
おそらくこの色だったかと思います。

依頼主:
祖父母のことを考えるタイミングになった。より身近に感じられてうれしい。

伊藤さんは、色を決めるために、当時のファッションや撮影場所を調べるだけでなく、専門家に話を聞くなどしているという。

(「イット!」6月14日放送より)