東京のど真ん中で、子どもたちが田植え体験をした。

東京駅の目の前に、2023年3月にオープンしたばかりの「東京ミッドタウン八重洲」。そのビルの一角に、中央区立城東小学校がある。

2023年3月オープン「東京ミッドタウン八重洲」の一角に…小学校が
2023年3月オープン「東京ミッドタウン八重洲」の一角に…小学校が
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もともと同じ敷地にあったが「東京ミッドタウン八重洲」のオープンに伴い、ビルの低層部に再整備した。

まさに都会のど真ん中にあるこの学校では、子どもたちに自然に触れてもらおうと、農業体験の一環として15年前から田植えを続けている。今回は新校舎になってから初めての田植えだ。

田植えの前に、教室で新潟の農家からレクチャーを受ける子どもたち
田植えの前に、教室で新潟の農家からレクチャーを受ける子どもたち

この日教室で、新潟の農家から稲作についてレクチャーを受けていたのは、5年生の児童たち。子どもたちは「苗のどこをもったらいいですか?」「どうやって植えたらいいですか?」と、熱心に質問している。

レクチャーを受けていざ…ビル屋上の田んぼへ 

そしてレクチャー後、生徒たちが向かったのは、学校の屋上だ。

学校の屋上に、田んぼが!
学校の屋上に、田んぼが!

学校の5階にあった縦9m・横2mの畑が、田んぼになっていた。土は新潟・津南町から、雪をかき分け約10トンを運んできたという。

田植えした時の感想をいきいきした表情で話してくれた
田植えした時の感想をいきいきした表情で話してくれた

田植えを体験した生徒:
ぬるぬるするけど気持ちいい。植えるときに重心かけると、ぐらぐらする。

田んぼを見たことがなかったという子どもたち
田んぼを見たことがなかったという子どもたち

田植えを体験した生徒:
都会に住んでいるので、田んぼとか見たことなくて感動しました。

精米10キロ分を植えた子どもら
精米10キロ分を植えた子どもら

新潟産の「魚沼コシヒカリ」を約400株、精米にして10kg分植えた。

田植えを終えると、農家が新潟から持ってきたオタマジャクシとホウメイエビを田んぼに放した。子どもたちは、都会の田んぼに放たれたオタマジャクシを、身を乗り出し観察。

オタマジャクシとホウメイエビを田んぼに放す
オタマジャクシとホウメイエビを田んぼに放す

翌日には、雨にもかかわらず田んぼの様子を見に行き、「オタマジャクシの生存確認!」などと言って、水温を測ったりしていたという。
稲刈りは9月を予定している。

【取材後記】

茨城で田んぼに囲まれて育った私は、田んぼを見たことがない子どもがいて驚いた。
しかし城東小学校の周りには、高層のオフィスビルや飲食店が多く建ち並んでいる。この環境を見れば、オタマジャクシを間近に見て目をキラキラさせている子どもたちの姿にも納得だ。

今回、子どもたちを指導したのは新潟からきた農家たち。旧校舎の時からずっと城東小で田植えを教えていて、今後は新潟での農業体験やサマーキャンプを予定しているそうだ。コロナも落ち着き、さらに広大な土地で農業体験ができるようになるだろう。

事前授業で「お米で思いつくこと」という問いに、子どもたちが出した答えのひとつに「育てるのが大変」とあった。
豊作であることを、私も子どもたちとともに願っているが、この稲作がうまくいっても、そうでなくても、「体験して学ぶ」いい機会になるだろう。

取材・執筆:砂川 萌々菜
(「Live News days」6月9日放送より 一部情報を追加しています)