亡くなった人の部屋や遺品を片づける「遺品整理」。
孤独死した岡山市の女性の部屋にカメラが入った。
その現場から見えてきたものとは…

仕事の前には必ず手を合わせる。

この日の現場は、どこにでもあるような岡山市のアパート。
持ち主をなくした大量のモノが、20㎡ほどの部屋を埋め尽くしていた。

身寄りのない47歳の孤立死

ーー亡くなった場所は?

遺品整理を行うココピア・藤原代表:
おそらくここしかないですね。予想ですけど、ここしかない

部屋の主は47歳の女性。孤独死だった。
警察が窓ガラスを割って入り、死後2日ほど経った遺体を見つけた。
父親を早くに亡くし、母親とも絶縁。
身寄りのない女性の遺品整理を依頼したのは、アパートの持ち主。
遺品の1つ1つに丁寧に目を通す中で、精神障害があった彼女は、人生に思い悩んでいたとわかった。

ココピアのスタッフ・吉川茂さん:
ここまでは丁寧にびっしり書いてるんですけど。ここから急に…やっぱしんどかったんでしょうね

遺品整理を行うココピア・藤原代表:
この仕事は、ただゴミを捨てるだけじゃない。1人ひとり違うので、作業進めながら、もしかしたらこれも大事かもしれないとか読み取りながら

遺品整理の専門業者、岡山市のココピア。
8年前の創業以来、貫いている流儀は「故人の思いに寄り添うこと」。
年間200件ほどある依頼と向き合う日々、代表の藤原さんには思うところがあった。

遺品整理を行うココピア・藤原代表:
1人で悩んでいる人は、年々増えてるのかなと(思う)。寂しいと言ったら語弊があるかもしれないですけど、「孤」になってる人が増えてる気はします

核家族化が進んで単独世帯が増え、岡山でもその数は2015年までの30年間で、2.4倍に増えた。
地域や親族とのつながりも薄れ、社会的に孤立した状態で亡くなることを、国は「孤立死」とも呼んでいる。
その数は年々増加し、全国で年間3万人に及ぶとする民間の調査機関の推計もある。

2日間に分けて行われた女性の部屋の作業は、ようやく終わろうとしていた。
2トントラック3台分の遺品と向き合う中で、見えてきたのは女性の人となり。
旅行が好きだったこと、真面目な性格だったこと、絵を描いていたこと。

そして、何とか前を向いて生きようとしていたこと…。
結局、写真と日記は処分するのではなく、供養しようと決めた。
女性の生きた証だと感じたから。

部屋がきれいになっても残るやるせなさ

遺族すらいない孤独死の遺品整理。
綺麗になった部屋で、藤原さんが感じたのは、やるせなさだった。

遺品整理を行うココピア・藤原代表:
そこを救えるかっていうと僕たちだけの力では、何ともしがたいところもあると思うんです。これからも専門業者として、できることを追い求めていければいいんですけどね

もの言わぬ遺品を通して故人と向き合う。
孤独な人が増えると共に、この仕事の難しさも増す。
「片づけて終わり」ではないからこそ。

(岡山放送)