仙台七夕まつりの開催まであと約2カ月。2023年は新型コロナの感染対策による制限が撤廃。4年ぶりに通常規模での仙台の夏の風物詩が戻ってくる。飾りの制作も本格化し、華やかなまつりの復活に期待が高まる。

「仙台七夕」復活まで2カ月 準備進む

仙台七夕まつり開催までちょうど2カ月となった6月6日。七夕飾りの制作を請け負う仙台市の会社を訪ねると、祭りのシンボルとして街中になびく、色とりどりの「吹き流し」が並んでいた。

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この、鳴海屋紙商事では、50年ほど前から企業の七夕飾りの注文を受けるようになり、まつりで展示される大型飾りなどのうち、3分の2を作っているという。2カ月後に迫ったまつり本番に向けて、急ピッチで作業が進められていた。

鳴海屋紙商事 佐藤卓央 社長:
ありがたいことに5月下旬くらいから、かなりの注文をいただいている。この調子でいくと、コロナ前の水準くらいになるのでは。

伊達政宗の時代から約400年続くとされる「仙台七夕まつり」。2020年は新型コロナの影響で戦後初めて中止に。2021年、2022年は規模縮小を余儀なくされたが、2023年は制限がすべて撤廃され、4年ぶりに通常規模の開催となる。

2021年と2022年は、七夕飾りの注文数が例年の半分ほどにまで減少したが、2023年は、コロナ禍前と比べて9割にまで注文数が回復。制作を始めた3月以降で、すでに300個ほどの大型飾りができあがったという。

鳴海屋紙商事 佐藤卓央 社長:
心を込めて一個一個丁寧に作っていますので、皆さん是非楽しみに来ていただければ。

「見に来る人の喜ぶ顔を…」手作りの伝統

まつりを見に来る人の目を楽しませる、七夕飾り。
こちらの会社では、ある伝統があるのだという。

西ノ入菜月アナウンサー:
今はどんな作業をされているんですか?

制作スタッフ:
七夕のくす玉の頭になる丸い竹籠に紙の花を付けてくす玉の形にしています。

花飾りを一つ一つ手作業で取り付けていく女性。直径45センチほどのくす玉に取り付ける花飾りは、200個にも及ぶ。吹き流しが完成するまで、およそ1カ月もかかるという。

制作スタッフ:
仙台七夕というと、手作りが一番。それがずっと伝わってきて、今の仙台七夕がある。県内県外も期待している方がたくさんいらっしゃるので、喜ぶ顔を見たいがために一生懸命作るっているという感じですね。

例年に比べ期待値大

路面での酒類・食料の販売が可能になったり、七夕飾りを飾る高さの制限撤廃など、4年ぶりに通常規模となる仙台七夕まつり。多くの人が、吹き流しをかき分けて街中を進む姿も見られることだろう。商店街で玩具店を営む男性は期待を口にする。

白牡丹 上野啓介 常務:
ずっと悔しい思いが続いていたので、2023年にかける思いは例年に比べて、私だけではなく、期待値も含めて大きいのでは。

コロナ禍前までは、七夕まつり期間中、飾りを店先に出していたという上野さん。過去3年間は、新型コロナの影響で商店街として飾りを出すのみで、店ごとに飾りを出すことはできなかった。2023年は大型飾りの展示が可能になったことで、6月から準備を始めたという。

白牡丹 上野啓介 常務:
人を明るくするものだと思う、色鮮やかですし、みんなで見上げてもらって、楽しんでもらえれば、それが一番だと思う。

4年ぶりに制限のない姿で戻ってくる「仙台七夕まつり」。華やかなまつりの復活に向けて準備が進んでいる。

(仙台放送)

仙台放送
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