貸す人を選ぶことで、地域が元気になる空き家の活用法がある。
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駄菓子屋の店主:
街の中に子供たちが日常的に立ち寄れる場所を作りたい。
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紅茶店の店主:
客との関係性を深め、日常に寄り添いながら、紅茶を楽しむ文化を発信したい。
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挑戦したい人の“思い”を可視化。
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空き家を流通させる、新たな物件探しのカタチとはーー。
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水橋サスケさんは、名古屋市内の大須エリアでシーシャカフェを営んでいる。
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n.en・水橋サスケさん:
(物件探しの際は)僕は古いほうがいいと思っていて。古いものは再現性がなくて、今から同じものをつくれないエモさが好き。
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店舗は築約80年になるという古民家だ。
古民家ならではの雰囲気を活用
水橋さんは、「さかさま不動産」というウェブサイトを利用してこの物件と出会った。
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「さかさま不動産」では、空き家で何らかの挑戦をしたいと考えている人が、その思いをウェブ上で発信。そして「貸す人を選びたい」という不動産オーナーが「この人なら…」と思える相手を選ぶという、その思いをつなぎ合わせてマッチングするサービスだ。
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n.en・水橋サスケさん:
ブクブクという音が間を埋めてくれる、会話と会話の。コミュニケーションを主とする場面では、すごく役立つと思ってて。
シーシャをラフにしたいと思っていて、古民家の方が相性がいいんじゃないかなと。
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これまで空き家状態だったという、この物件。実は「倉庫として貸してほしい」という問い合わせは多くあったそうだ。
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物件の貸主:
人が来て、地域にとっても活性化するカタチの方がいいなと思ってた。どうせ貸すんだったら若い子に挑戦する場にしてもらった方がいいかなと。
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名古屋市内のもう一つの商店街では、さかさま不動産を通し、駄菓子店と紅茶店が開店した。
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事前に借り手と貸し手の互いの想いを共有して関係を構築できることは、商店街にとってもよりよい効果があるという。
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新大門商店街振興組合・加納栄志理事長:
(事前に)この大門という街を知ってもらい、一緒に地域を盛り上げていこうと仲間になってくれている。もともといる人間からしてみるととてもありがたい。
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短期的な挑戦の応援だけではなく、中長期的な側面での移住定住の促進や潜在的な空き家発掘にもつながる、さかさま不動産。
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On-Co・水谷岳史代表:
意味がある人が来るとか、その街にとって必要な人を呼ぶことができる。“そういう人が欲しい”“そういう人に来てほしい”と思う地域も、どんどん街作りは進んでいく。借りたい人が全国の場所を選べるというか、選ばれるという現象を起こしたい。
地域との繋がりが事業継続の意欲に
「Live News α」では、コミュニティデザイナーでstudio-L(スタジオ・エル)代表の、山崎亮さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
空き家が、誰かの夢をかなえる場所になる、素敵な取り組みですよね。
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コミュニティデザイナー・山崎亮さん:
借りる側が不動産を選ぶのではなく、貸す側が「この人なら」と、借り手の夢によって選ぶという発想の転換が興味深い。
貸す側は、単に「高い家賃を払ってくれるか」とか「長く借りてくれるか」といった視点だけでなく、「倫理的に良い事業か」、「地域を元気にしてくれるか」など、複合的な視点から借主を選ぶことができる。
値段と期間だけではない指標が入ると、借主の探し方が変わるという好例だろう。
堤 礼実 キャスター:
空き家の活用を通して、人と人をつなぐ取り組みを広げていくためのポイントは。
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コミュニティデザイナー・山崎亮さん:
空き家は、借り手と貸し手だけではなく、地域にとっても課題である場合が多い。空き家が増えると街から元気が失われ、場合によっては防犯上の懸念もある。
「さかさま不動産」の取り組みは、地域の課題の解決にもつながるものである。
これから必要だと思うことは、値段と期間だけで借主を探そうとする貸主が、1人でも多く「さかさま不動産」を経由して「地域にとって価値のある賃貸契約」をしようと思う人が増えること。
さかさま不動産を使ってもらえるように、意識改革してもらうことが重要だろう。
賃貸契約の方法を変えることによって、「地域を元気にしたり、そこで暮らす方たちにとっても大切な場所にすることができるんだ」という自信を持つ人が増えることを願っている。
堤 礼実 キャスター:
確かに、カフェなどのお店を開くなら、地域の方たちに愛される場所になることは大切ですよね。
コミュニティデザイナー・山崎亮さん:
地域で愛されるとは、言葉を換えると、地域の人々に支えられているということ。
今後は、事業内容をプレゼンテーションし、それを聞いた地域の人たちと共に、借主を選ぶといった展開も期待される。
そうやって地域の人たちと交流を重ねていくと、借主は事業が苦しい時も、地域の方たちに支えられて踏ん張る力が強くなるはずだ。
堤 礼実 キャスター:
こういうことに挑戦したい、こういう夢がある、ということを理解したうえで、場所を提供するというのは、一緒にその夢をかなえるということでもあると思います。
誰かの夢の実現のために背中を押しながら、空き家問題の解決にもつながっていく、とても素敵な試みだなと思います。
(「Live News α」6月5日放送分より)