5月から7月頃にかけて旬を迎え、今がまさに最盛期のメロン。
特定のカルチャーをより深く味わう「沼から来た。」では、今回まだまだ底がしれない「メロン」のディープな魅力を紹介する。
1つの木から1個しか取れないジューシーで甘いメロンや、食べてビックリな新感覚のメロンなどが登場。
さらに甘いメロンの簡単な見分け方や、よりおいしく食べるためのテクニックも紹介していく。
あなたも「メロン沼」にハマってみませんか?
“メロンマニア”が注目するメロン
“メロン沼の住人”こと、大田市場の果物バイヤー、原詩織さん。
フルーツに魅せられ、食事もおやつも、ついには仕事も、フルーツ三昧の日々を送っている。
そんな彼女の特技は“果物の目利き”。

おいしいフルーツを定期宅配するバイヤーをしている原さんが今、食べてほしいオススメのメロンを教えてくれた。
まずは、原さんが注目する全国「旬のご当地メロン」から。
メロン生産量全国1位のメロン
今の時期は果肉が黄緑や白肉のメロンが主流。
その中でも原さんがオススメするのが、お手頃な価格の“大衆メロン”と呼ばれる「アンデスメロン」だ。

アンデスメロンの「アンデス」「アンデス山脈」と関係があるかと思われがちだが、実は無関係。
「安心ですメロン(アンシンデスメロン)」が「アンデスメロン」になったといい、「“安心の価格”で“安心の味”でおいしく食べてくださいね」という意味が込められているという。

そして原さんによると、メロンには食べる順番にもポイントがあるという。
甘さを実感できる食べ方は「上側から」
原さんオススメの食べ方は「ツルがついた方」、つまりメロンの上側から食べ始めること。

「メロンは種の周辺、真ん中部分が一番甘いが、重力で甘み(栄養)が下に下がっていく。ツタがついた上の部分から食べ始めると、だんだん甘さが増していくのでオススメです」(大田市場の果物バイヤー・原詩織さん)
そして、どこが一番甘いのかが分かっていると、メロンの切り方もアレンジが可能になる。
その一つが「赤道切り」だ。
「通常はツタが付いている上から縦に切るが、横に切る『赤道切り』をすると、下半分の甘い方はそのまま、上半分はアイスなどをのせて甘みを足すようなアレンジをして食べると、2つの甘みを楽しむ事ができます」(大田市場の果物バイヤー・原詩織さん)
さらに、お店でメロンを買う時の原さん流、3大ポイントも教えてくれた。
<1>網目の細かさ
メロンは大きくなる時にひび割れするが、そのひび割れがたくさんできたのが網のあるメロンになる。

網目模様がクッキリときめ細かい方が、香りも味も良いメロンとされている。
<2>メロンの重さ
同じサイズのメロンでも持ち比べてみて、ズシッと重さがある方が、水分がたっぷり入っているので甘いと言われている。
<3>ツルの太さ
ツルが付いているメロンの場合は、「ツルの太さが非対称のもの」がオススメとのこと。
片方が細くなっていると、入ってくる栄養が外に出ていかず、果肉にとどまっているという証しで甘くておいしいとされるという。

数々のメロンを食べてきた、“メロンマニア”の原さん。
そんな原さんがぜひ知ってほしいイチオシのメロンがあるという。
1つの木に1個の実しか育てないメロン
楕円形で緑色が濃いのが特徴の熊本・JAやつしろの「肥後グリーン」。

ジューシーで甘く、糖度はなんと16度もある。
このメロンは1つの木にいくつか実ができても、カットして1個のメロンに栄養を注ぐという、高級マスクメロンと同じ手間を掛けた栽培をしている。
それでいて価格は1500円前後と、比較的お手頃な値段で手に入るという。

「メロンは食べるとイガイガを感じる時がありますが、『肥後グリーン』はそのイガイガしている感じが少なく、糖度も高いのに味がスッキリ・サッパリしているので、何個でも食べられちゃうおいしさです」(大田市場の果物バイヤー・原詩織さん)
そして、メロンといえば食べ頃が分かりにくいイメージがあるが、原さんによると見分けるポイントがあるという。
食べ頃のポイントは“おしり部分”
メロンの「おしり部分」を優しく押して、ちょっと柔らかいと感じたら食べ頃のサイン。

しかし、強く押してしまうと痛みの原因になるため、優しく押すことがポイントだ。
さらに、メロンの保存方法は「常温」がベストとのこと。
冷蔵庫に入れてしまうと追熟が遅くなるので、常温保存がオススメだという。
さらに、希少価値が高い個性派メロンも教えてくれた。
新感覚の最新メロン
2021年に誕生した奈良・萩原農場の「サワースウィート」。
網目のない白いメロンだが、注目されているのはその味だ。

普通のメロンだと口に入れると甘さが広がるが、サワースウィートは甘酸っぱい。
その理由は、クエン酸の量が通常のメロンの3倍(同社比)あるからだという。
糖度は平均で16度と甘いが、クエン酸が多いことで酸味が際立ち、“甘酸っぱさ”をウリにした珍しいメロンになっている。
そんな珍しい甘酸っぱいメロン、酸味を生かした原さんオススメのアレンジがあるという。
それは「クリームブリュレ風アレンジ」。
カットしたメロンにザラメをかけて、バーナーであぶり焦げ目をつけると、香ばしい甘みと酸味が絶妙になる。

「加熱することによって酵素の力が弱り、イガイガするのがなくなり、酸っぱさと甘さのいいバランスを感じることができます」(大田市場の果物バイヤー・原詩織さん)
まだまだ底が知れない“メロン沼”。今後もどんな新しいからメロンが出てくるのか、目が離せない。
(ノンストップ!『沼から来た。』より 2023年5月31日放送)