東京大学の教授らは、教員の長時間勤務に歯止めをかけるため、教員への残業代の支給などを求める署名活動をきょう5月30日始めた。
自民党の特命委員会は今月、教員の残業代にあたる「教職調整額」を4%から10%以上に増額する法改正などを盛り込んだ提言案をまとめたが、これについて教授らは「これだけでは解決しない」と訴えた。
東京大学の教授らは「教員への残業代の支給」「業務量に見合った教職員の配置」「教育予算の増額」の3つを政府に要請するため、きょうから署名活動を始めた。
教授らはきょう、文部科学省で会見を開き「先生の仕事は、子どもの現在や将来に直結している。福祉的ケアという意味でも子どもを支えている」としたうえで、「先生に精神のゆとりがなければ良い仕事ができない」と強調した。
教員不足が深刻化するなか、不登校児童や特別支援の対象となる児童が増え続けるなど学校が抱える課題は増えている。
教職課程を担当する大学教授は会見で、「教育実習で先生の大変さを目の当たりにし、適正があるのにちゅうちょする学生がいる」とし、教員の実情が教員になろうと考える若者も減らす結果に繋がっていると話した。
自民党の特命委員会は今月、教員の残業代にあたる「教職調整額」を4%から10%以上に増額する法改正などを盛り込んだ提言案をまとめたが、教授らはきょうの会見で「自民党は10%ということだが、現実は30%まで上げても足りない。働かせたら働かせただけの仕組みをつくらないといけない」とし、抜本的な改革の必要性を訴えた。さらに、学校の膨大な業務量を支えるために教職員を増員することが必要とし、そのためには予算が必要だと呼びかけた。