リモートワークで社員同士が顔を合わせる機会が少ない企業では「雑談」が減り、そこから生まれる「つながり」の減少が懸念されている。社員同士のコミュニケーションの場にしてもらおうと、ユニークな自動販売機が秋田県内の企業に導入された。

自販機を通してコミュニケーション

新型コロナの感染拡大で「リモートワーク」が当たり前になったという企業もあるのではないだろうか。新型コロナによる制限は緩和されたが、企業によってはリモートワークを続けている人が大半というところもある。

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そうした中、社内でのコミュニケーションのきっかけ作りに一役買っている自動販売機がある。その名も「社長のおごり自販機」、実に気前の良いネーミングだ。

ユニークなネーミングの自動販売機を開発したのは、大手飲料メーカーのサントリー。「コロナ禍でコミュニケーションが減りつつあるオフィスを、ちょっとハッピーに」をコンセプトに生み出した。

サントリー広報部・蛭田順也さん:
自販機を通してコミュニケーションが増えないかと考え、2人でタッチをすることで無料で飲み物をもらえる、というのを考えついた。買った人がみんな「社長、ごちそうさま」と言っている声を聞いて「社長のおごり自販機」にしました

会話が生まれる工夫がたくさん

5月に秋田県内で初めてこの自販機を導入したのが、秋田市にあるリコーITソリューションズ秋田事業所だ。

社員証を同時にタッチ
社員証を同時にタッチ

佐藤奈都美アナウンサー:
実際に社員2人で社員証を自動販売機にかざし、欲しいドリンクを10秒以内に押してみると、お金を入れずにゲットすることができました

一方で、飲み物を手に入れるまでには、会話が生まれる様々な工夫がある。

1つは、2人がそろわないと使えないという点。2つ目は、2人が社員証をタッチするタイミングがずれると失敗してしまう点。そして最後は、ドリンクを選べる時間がたった10秒ということ。タイムオーバーすると手に入れることができない。ゲーム性を持たせ、より多くの会話が生まれる仕組みになっている。

実際に利用した社員は…。

リコーITソリューションズ東日本開発センター・竹中蒼さん:
このカードを使うことで、自分から声をかけに行ったり、先輩から声をかけてもらったり、その時にコミュニケーションを図りながら水分を取ることができる

リコーITソリューションズ東日本開発センター・藤田留衣さん:
ちょっとしたコミュニケーションでリフレッシュして、その後の作業が効率よく進められる

リコーITソリューションズ・槙尾昇理事:
自動販売機の前で楽しそうにドリンクを選んでいる様子をよく見かけるので、良い効果が出ているのではないかと感じている

働く人がワクワクし、笑顔が増える職場づくりに一役買っているようだ。

よりよい人間関係を作るきっかけに

「社長のおごり自販機」は現在、全国に200台以上が設置されていて、導入している東京のある企業では、97.8%の社員が「コミュニケーションのきっかけになった」と答えている。

提供:サントリーHP
提供:サントリーHP

なお、おごれるのは社長だけではなく、企業が自由に設定できる。飲み物を無料で手に入れられる時間や頻度を調整することも可能だ。

この自動販売機は、社員同士の日常のコミュニケーションを生み出し、よりよい人間関係を作るきっかけになりそうだ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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