政府は、岸田首相の長男の翔太郎秘書官が6月1日に辞職することを発表した。辞職に至った背景や岸田政権への影響について、フジテレビ政治部の松山俊行部長が解説する。

「息子が足を引っ張る形に…」政府関係者の声も
榎並大二郎キャスター:
突然の辞職。事実上の更迭という見方が正しいのでしょうか?
フジテレビ政治部・松山俊行部長:
広島サミットであれだけ高い評価を得て、先週の段階での各メディアの世論調査などでも軒並み9ポイントアップという非常に高い伸び率を示したにもかかわらず、今週末の世論調査、FNN世論調査もそうですが、それほど伸びていない。逆に、減っている世論調査も出ているということで、明らかに翔太郎秘書官の公邸内での忘年会の写真撮影などが影響したという向きがありました。そうした影響が出たということを如実に感じた岸田総理が早めの更迭を決断したというのが実情だと思います。

榎並大二郎キャスター:
辞職という形をとったというのはどういうことでしょうか?
フジテレビ政治部・松山俊行部長:
いずれ岸田翔太郎秘書官については、政治の現場を知ってもらって、将来、岸田さんの跡を継ぐかもしれないということで政治の勉強のためという意味があったんだと思いますけど、そういう意味では、タイミングはもっと先と考えていたとみられますけれども、今回、サミットの評価すらも相殺してしまうような影響を与えているということで、こういう決断をせざるを得なかったと思います。
政府関係者の中には、サミットであれだけ成果を出したのに息子が足を引っ張る形になってしまったから辞めさせればいいという声は非常に多かったという声も出ていますので、そうした声にあらがいきれなかったということだと思います。
榎並大二郎キャスター:
翔太郎氏のこれまでを振り返ると、まず2022年10月、息子を秘書官にするのかということについても、否定的な見方というのはありましたよね?
フジテレビ政治部・松山俊行部長:
やはり自民党の中でも2世議員、3世議員という流れの中で、そうしたことをいつまで続けるのかという意見はかなりありましたので、そうした象徴的な意味として、この翔太郎秘書官が非常に注目を浴びていたと。
過去には公用車を使って、外遊先で買い物していたということも批判されたりもありましたが、そうしたこともたびたび重なることで、やはり、いろいろ政策成果を上げている岸田総理だけれども、どうしても息子に対しては甘くなってしまうのかという批判が強くなっていた。これに対して何かしらの答えを出さなきゃいけなかったと思います。

岸田政権への影響は?
榎並大二郎キャスター:
このタイミングで総理が決断したということならば、やはり解散ということは、かなり今、頭の中に大きく見えているということなんでしょうか?

フジテレビ政治部・松山俊行部長:
サミットの成果を受けての早期解散という見方が1つあったわけですが、それはまだ生きているという見方も当然ありますが、岸田翔太郎さんのこの問題について、世論調査の結果が悪くなっていることのダメージを早めに切っておきたいということがあったんだとすれば、まずは解散というのを念頭に置いている可能性ももちろんある。ただ、この影響が今後残る可能性というも十分あるので、今後、解散も難しくなるという見方もあります。
榎並大二郎キャスター:
辞職ということを受けて、岸田政権にどう影響しそうでしょうか?
フジテレビ政治部・松山俊行部長:
今、自民・公明の選挙区調整の問題がかなり大きくなっていますので、それも含めて解散・総選挙のタイミングこれをどうするか。今回の辞職の影響がどう出るかを見て判断することになると思います。
(「イット!」5月29日放送より)