秋田県内で加速する少子高齢化が、秋田の基幹産業に大きな影響を及ぼしている。農業現場では担い手が見つからず、やめざるを得ない人が増えているのが現状だ。
こうした中、地域の米作りを守ろうとJAや行政が始めた新たな取り組みが「農家同士のマッチング」。田んぼを貸したい農家と借りたい農家の橋渡しをする。

栽培されない田畑を引き継ぐ

秋田・由利本荘市加賀沢、旧大内町の田園地帯。

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農家の佐々木亨さんは、大内地区の30ヘクタールの田んぼでコメを作っている。そのうち28ヘクタールは借りている土地だ。

JA秋田しんせい管内(由利本荘市・にかほ市)では、毎年3%ほど作付面積が減少していて、このうち大内地区では、高齢化に伴い稲作をやめたり、作付面積を縮小したりする農家が増えている。

田畑は作物が栽培されないまま残されるため、佐々木さんが引き受けることで米作りが継続されている。

農家・佐々木亨さん:
面積のある担い手が、ある程度分担してやっているが、やりきれなくなってきている

マッチングで不作付地の解消へ

こうした現状を受け、JA秋田しんせいと由利本荘市、にかほ市などが1月に立ち上げたのが「地域農業者協議会」だ。

JA秋田しんせい営農経済部・佐々木亨次長:
希望する農家と関係者が一同になって、地域ごとに対策を練っていこうと

画像のように点在する農地を交換して集約したりする
画像のように点在する農地を交換して集約したりする

協議会は、米作りを続けられない農家と作付面積を広げたい農家の間に入って、土地の貸し借りのマッチングをしたり、地区に点在する農家同士が土地を交換し、互いの農地を集約したりすることが狙い。

JA秋田しんせい営農経済部・佐々木亨次長:
農地の受け手の登録者が50人を超えているので、来年の作付けに向けて対応していきたい。水稲以外の作物の提案を希望する農家も多くいた。とにかく不作付地の解消に向けて、農業委員会とともにマッチングに向けて動きたい

すでに5組がマッチング

農家・佐々木亨さん:
個人の農家間では利害関係が絡むので、協議会が仲立ちとしてマッチング活動をして、スムーズに農地交換などができればと期待している

JA秋田しんせいによると、これまでに5組の農家のマッチングが成立している。

秋田の新しい農業の形となり得るか。少子高齢化に直面しながら基幹産業を継続する対策の1つとして、期待が寄せられている。

(秋田テレビ)

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