アメリカのIT大手「マイクロソフト」は、AIとのチャット機能をWindows11にも搭載すると発表した。

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マイクロソフトは、23日に開催した開発者向けのイベントで、パソコン用のOSソフトWindows11にAIとのチャット機能を搭載すると発表した。

6月公開予定の試験版では、画面の横にAIとのチャット画面を配置し、文章でイメージを伝えることで、資料の要約やプレゼン資料作成などを任せられるようになる。

AIに関して、ヨーロッパで規制の動きが強まるなどしており、ナデラCEOは「AIの安全性は最も力を入れてきたことのひとつだ」と強調している。

「誰にも優秀な秘書」実現へ

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しい IoT NEWS代表の小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
マイクロソフトが提供する検索エンジンのBingでも、チャットGPTが使えるようになっていますが、これがOSであるWindows11にも搭載されると、具体的にはどのようなことができるのでしょうか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
仕事での活用をイメージすると、その便利なことがわかります。

例えば、書類をAIアプリケーションにドラッグ&ドロップして、要約してほしいと依頼すると、要約してくれます。

また、何かの書類を、AIアプリケーションにドラッグ&ドロップして、Teamsで関係者に送ってほしいと依頼すると、AIが送ってくれます。

堤 礼実 キャスター:
私たちがやっていたことを、AIが代わりにやってくれるようになるわけですね。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
今はまだ出来るわけではありませんが、将来こんなこともできそうです。例えば、東京から大阪への一泊の出張に、このAIを使うと…。

まず、ホテルや移動手段の候補を提示してくれます。そして、その予約情報をカレンダーに書き込んだり、必要な情報をメールやチャットで教えてくれます。

こんな調子で、今後は、パソコンというか、コンピューターに向かって、音声などでお願いすれば、大抵のことはこなしてくれるはずです。これは、全ての人にAIという、優秀な秘書がつく。そんな世界が、実現されようとしています。

「考えて利用すること」が必要

堤 礼実 キャスター:
便利になる一方で、職場や暮らしの中にAIが入ってくることに、戸惑いや、課題などもあるように思いますが、これについては、いかがですか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
しばらくは、AIがやってくれる仕事をどこまで信じて良いのかわからず、いちいち結果を確認しないと、怖いと感じるでしょう。

そして、AIが精度よく作業をこなしてくれるようになると、今度は、「AIの出す結果に対する品質に問題があっても気づかない」とか、「第三者による攻撃を受けた時に気付けない」という問題が発生します。

また、同じ動作の繰り返しを期待しているうちは、AIの出す結果に対する、評価も比較的簡単です。

一方、今回のAIのように柔軟な対応ができるとなると、AIへの評価が「人によってわかれる」ことになるでしょう。

現在、「どこまでをAIに任せてよいのか」という議論が始まっていますが、この議論に受け身ではなく、自分も考えながら、新しい世界に進んでいく必要があります。

堤 礼実 キャスター:
すごいスピードでAIが様々なものに導入されています。時間の短縮にもつながりますし、効率化という面では画期的なものですよね。

その一方で、全てをAIに任せてしまうのではなく、ユーザーである私たち自身も、しっかりと責任をもって利用する必要があるのかなと思います。

(「Live News α」5月24日放送分より)

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