携帯電話の通信障害が発生した時に、無料Wi-Fiが使用できるようになる。

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大規模な通信障害が発生すると、通話やSNS、スマホでのキャッシュレス決済、緊急通報などができなくなり、社会全体に大きな影響が広がる。

(Wi-Biz)
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そこで、大手携帯電話会社などが加入する業界団体「無線LANビジネス推進連絡会」が、災害時に運用してきた無料Wi-Fiを、通信障害時にも開放すると明らかにした。

(Wi-Biz)
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通信障害時に開放される無料Wi-Fiは、携帯キャリアに関係なく利用可能。

スマホ画面で「00000JAPAN」を選択(Wi-Biz)
スマホ画面で「00000JAPAN」を選択(Wi-Biz)

スマホのWi-Fi設定画面に表示される「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」を選択することで接続できるようになる。

(Wi-Biz)
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23日に総務省で検討会を開き、ガイドラインを改訂する方針だ。

繋がらない・なりすましの可能性も

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーに詳しいIoT NEWS代表の小泉耕二さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
通信障害が発生した際にも、「つながる」ように、とのことですが、小泉さんはどうご覧になりますか。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
もともと、「00000JAPAN」は災害などの発生時に、通信を確保するために、Wi-Fiを無料で開放するという取り組みです。

東日本大震災の時の経験から、2016年の熊本地震で初めて使われ、それから豪雨や地震などの際に、かなりの回数発動されています。

今回のニュースは、災害時だけでなく、通信障害時にも、これが使えるというものです。個人的には、すごくよい取り組みだなと感じました。

堤 礼実 キャスター:
実際に私も、通信障害で携帯電話が使えなくて本当に困った経験があるので、この取り組みはありがたいなと思います。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
ただ、課題もあります。いざ必要な時に、つながらない可能性もあります。具体的には、通信量に限界があったり、Wi-Fi接続できる場所にも制限があります。

そのため、スマホの画面に「00000JAPAN」が表示されない場合は、Wi-Fiをつかむことができる場所に移動する必要があります。

さらに、もう一つの課題として、なりすましの危険性が指摘されています。

災害や通信障害が発生した際に紛らわしいWi-Fi名があると、つないでしまう可能性があります。この場合、通信の内容を盗聴されてしまう懸念があります。

個人情報、例えば、クレジットカードの登録情報などが、何者かによって盗られてしまう可能性があり、注意が必要です。

身近な人とルールを事前に決めるべき

堤 礼実 キャスター:
さまざまな課題があるようですが、それらを一つずつクリアしながら、「つながる」安心が広がるといいですね。

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
通信キャリアが提供するWi-Fiスポットだけでは、われわれの生活全てをカバーできないので、現状、さまざまな認定された施設でも「00000JAPAN」の提供が始まっています。

なくてはならない通信環境を維持するために、対応エリアを広げていく活動も必要です。

また、通信は送信者と受信者がいて成り立つわけですから、通信障害や災害が発生した際の家族や職場でのルール、安否情報や、自分の状況を伝えるツールを決めておくなど、事前の取り組みも重要です。

堤 礼実 キャスター:
人と人をつなぐだけではなく、お買い物の支払いなどもインターネットを通して行う方、とても多いですよね。

セキュリティに配慮しながら「いつでも」、「どこでも」、「誰とでも」、安心してつながることができるインフラであって欲しいと思います。

(「Live News α」5月22日放送分より)

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