ウクライナのゼレンスキー大統領は、先ほどからG7広島サミットの協議に参加している。外交筋は「いま、広島には世界の主要国のトップが集まっているのだ」と強調していて、戦時下の指導者が直接参加したことにより、サミットは最大のヤマ場を迎えている。

21日午前10時半過ぎ、ゼレンスキー大統領は、笑顔を交えて報道陣の前に姿を見せ、岸田首相の横に立ち記念撮影に臨んだ。

G7首脳はこれまでの協議で「ウクライナに必要とされる限りの財政、人道、軍事、外交分野での支援を提供する」ことで結束を確認していて、21日の会合で、こうした姿勢をゼレンスキー大統領に直接伝えたものとみられる。
この後は、インドやブラジル、インドネシアなどが加わった「拡大会合」に移る予定。自らの国が侵攻を受ける中、ゼレンスキー大統領が来日した大きな理由はここにあると考えられ、軍事面や経済面でロシアとの関係を保つ国々に圧力の強化を直接訴えるものとみられる。

ゼレンスキー大統領は午後、アメリカのバイデン大統領や岸田首相と個別に会談するほか、平和公園を訪れ、原爆資料館を視察した後に岸田首相とともに献花を行う方向。また、ゼレンスキー大統領による記者会見が開かれる見通し。
対面での協議を通じて欧米以外の国とも連携を確認できるのか、核の使用をちらつかせるロシアに対し被爆地・広島からどのようなメッセージを発信するのか、世界が注目している。