本日19日午前、G7サミットで広島に集まった各国首脳は原爆資料館を訪問し、慰霊碑に献花した。

その後、19日午後に開催された伴侶達の会合で、バイデン大統領と共に資料館を訪問したFLOTUS=ジル・バイデン大統領夫人は次のように述べた。
「先月、私は岸田夫人をワシントンで迎えることができて光栄でした。そして裕子、私はあなたの優しさと寛大さに感動しました。そして、私たちの国家間の友情は時が経つにつれてさらに深まり続けていることを知っています。私たちをあなたの国にお迎えいただきありがとうございます。」

「今日、私たちは人類に知られている中で最も悲惨な戦争の一部を記念する記念碑のすぐ近くに集まっています。私たちはこの歴史を教え、私達の目の前にある選択を理解できるようにしなければなりません。破壊よりも創造を、非人道よりもイノベーションを、流血よりも平和を、専制主義より民主主義を選択するのです。」
これはホワイトハウスが発表したジル夫人の発言の一部を抜粋したものである。資料館訪問で原爆の悲惨さが夫人の身にも染みたと期待して良いのだろうと思われる。
慰霊碑に献花した各国首脳はいずれも厳粛かつ神妙なお面持ちだったが、バイデン大統領自身の発言や思いはこの原稿執筆時点で伝えられていない。広島に原爆を投下した国の国家元首として「謝罪」の予定は無いと言われるが、その悲惨さはやはり痛感したのだろうと想像する。
世界の現実を鑑みればいつのことになるや分からぬが、今回のサミットが核廃絶への始めの一歩に繋がることを願うばかりである。
そのG7サミットにウクライナのゼレンスキー大統領が、ネット経由ではなく、自ら出席する予定と伝えられている。今、核の脅威にもっとも晒されているのはウクライナである。その国の指導者がどのような発言をするのか、注目される。
かなり気が早いのを承知で言うが、今回の広島G7サミットは、無事終了すれば、大成功と評価されることになりそうである。
核兵器の悲惨さを各国指導者に印象付けると共に、ウクライナとの連帯、対露・対中結束等を誇示することになる筈だからである。
ロシアのプーチン大統領は切歯扼腕するだろう。そして、中国の習近平主席も歯軋りするかもしれない。
重ねて言う。G7サミットはまだ終わっていない。気は早いが、日本政府のこれまでの努力にも敬意を表したい。
【執筆:フジテレビ解説委員 二関吉郎】